Zephyr Project meetup: Sapporoで発表してきました。
発表テーマは「Zephyr RTOSを使った開発コンペに参加した件」です。
当日のカンファレンスから懇親会までの様子を紹介します。
Zephyr Project meetup: Sapporoで発表してきた
Zephyr Project meetup: Sapporoで発表してきました。 *meetup…勉強会
発表テーマは「Zephyr RTOSを使った開発コンペに参加した件」です。
話したいこと一杯で30分も使わせていただきました。下記が発表スライドです。
Zephyr(RTOS)の日本初の公式ミーティングでした。めっちゃ楽しかったです。
当日のミーティングから懇親会までの様子を紹介します。
公式リンク先
zephyrの公式のmeetup(勉強会)ページは下記です。
connpassのページは下記です。一部の発表者の資料も置かれています。

札幌開催
会場は北海道札幌 すすきのにある サンシャインビル「Venture Square」でした。
筆者は東海圏の人ですが、折角なので北海道遠征してきました。
開催場所を提供してくださった、株式会社Space Cubics様のビルです。

Space Cubics様には開場設営・配信、また飲み物まで用意していただきました。
機材なども、この日のために用意してくれたとか…。配信含めて、本当に感謝です。
参加理由
今年は冒頭からZephyrが絡んだ開発コンペに2個ほど参加していました。
ただZephyr(RTOS)を満足に使い切れたかと言うと、そうでもありませんでした。
そのため、Zephyrを使っている人の話を聞いてみたいと思い、参加しました。
タイムテーブル
当日のタイムテーブルは下記流れでした。
- 13:00: 開場
- 14:00: オープニング (10分)
- 14:10: 宇宙機で使う Zephyr Subsystem -- Takuya Sasaki
- 14:40: RXボードへのポーティングに挑戦してみた -- jun1_hirata
- 15:10: 仮想化沼Dive Tour with Zephyr -- soburi
- 15:40: 休憩 (20分)
- 16:00: Zephyr Module の作り方 -- Yasushi SHOJI
- 16:30: Zephyr RTOSを使った開発コンペに参加した件 -- misoji
- 17:00: 自動車におけるZephyrの適用 Yuichi Kusakabe
- 17:30: Live CPF submitting -- soburi
- 17:45: クロージング
Zephyr Project meetupの様子
Youtubeのライブストリーミングも残っていますので、詳細はそちらをご参照ください。
どの発表者の方も素晴らしい内容でした。
入門的な内容から中級や上級の内容含めて、多岐に渡りました。
Notebook LMで各発表を3行で要約してくれたものを添付しときます。
宇宙機で使う Zephyr Subsystem -- Takuya Sasaki
- Zephyrを用いた宇宙機開発におけるサブシステム(ロギング、ファイルシステム、Zbus)の活用事例が紹介された。
- 宇宙機は地上局と通信できない時間帯(LOS)が長いため、Zephyrのサブシステムを活用して機内にログを保存し、AOSで地上にダウンロードしている。
- 宇宙機開発は特殊に見えるが、OSレイヤーでの考慮点は地上の組み込み開発と大きく変わらず、より多くのエンジニアの参加が期待されている。
RXボードへのポーティングに挑戦してみた -- jun1_hirata
- ルネサスRX2NエンビジョンキットへのZephyr RTOSポーティング経験について共有された。
- 既存のアーキテクチャサポートとデバイスツリー、HALの活用により、比較的容易にポーティングできたことが強調された。
- ポーティングのゴールはLチカ(LED点滅)であり、今後ネットワーク対応やプルリクエストの提出を目指している。
仮想化沼Dive Tour with Zephyr -- soburi
- XenハイパーバイザーとVirtIOデバイスが説明され、ZephyrがVirtIOフロントエンドドライバをサポートしたことが報告された。
- ZephyrをXenのVirtIOバックエンドとして利用することで、軽量かつ単一障害点のリスクを分散したドライバー専用VMの構築を目指している。
- これは従来のLinuxベースのドライバーVMの課題を解決し、機能安全分野での応用も期待されている。
Zephyr Module の作り方 -- Yasushi SHOJI
- Zephyrのモジュール機能は、外部のソフトウェアコードを取り込むためのもので、Westビルドシステムと連携して利用される。
- Micro-ROSのコアコードをZephyrモジュールとして統合し、少量の設定で簡単にビルドできるようになったと紹介された。
- これにより、チームでの開発効率が向上し、複雑なビルドシステムの知識が不要になる利点が強調された。
Zephyr RTOSを使った開発コンペに参加した件 -- misoji
- Zephyr RTOSを使った開発コンペに2度参加し、Bluetooth Low Energy (BLE) オーディオ機能などを実装したカスタムボードを作成した。
- Zephyrの豊富なサンプルライブラリとNordicのSDKにより、初心者でも容易に高度な機能を実現できると評価した。
- ハードウェア開発の難しさや納期との戦いはあったものの、Zephyrの汎用性とBluetooth機能の同期精度に感銘を受けたと述べた。
自動車におけるZephyrの適用 Yuichi Kusakabe
- 自動車業界が「Software-Defined Vehicle (SDV)」へと移行しており、ソフトウェアの共通化と継続的なアップデートが重要となっている。
- Zephyrは、その軽量性とシンプルさから、商用RTOSの置き換えや多様なドメインソフトウェアの統合における有望な選択肢として注目されている。
- Zephyrプロジェクトは機能安全規格ASIL-Dを含む認証取得を進めており、自動車の安全関連領域への適用が将来的に期待されている。
Live CPF submitting -- soburi
- Linux Foundation主催のOpen Source Summit Japan (OSSJ)にZephyrトラックが新設され、コミュニティからの発表応募が奨励された。
- 自身が提出するXen VirtIOバックエンドのZephyr実装に関するCFPの内容を共有し、その技術的利点と自動車・ロボティクス分野への応用可能性を説明した。
- 締切が8月4日であり、多くの関係者にZephyr関連のセッション応募を促す意図が示された。
追加LT -- yoshida
- サイバートラストの一員として、日本OpenEmbedded Linux Users Group、OSPO、Debian JP、PyCon JPなど、様々なオープンソースコミュニティで活動している。
- 社内ではOSPOの一環として、漫画を通じてエンジニア以外の従業員にもOSSの理解を促進する活動を展開している。
- 今後の主要イベントとして、CFP募集中のMiniDebConf JP Asahikawa(9月)とPyCon JP Hiroshima(9月末)を紹介した。
懇親会の様子
[After party]: Zephyr Project meetup: Sapporoという名目で懇親会も開催されました。
会場近くの飲み屋で実施しました。
全員が初見の方でしたが、Zephyrのネタ含めて盛り上がって良かったです。
謝辞
今回はZephyr Project meetupの場で発表させていただきありがとうございました。
運営者・参加者様には本当に感謝です。
会場を用意・配信提供していただいたSpace Cubics様にはこの場を借りてお礼申し上げます。
まとめ
Zephyr Project meetup: Sapporoで発表してきました。
発表テーマは「Zephyr RTOSを使った開発コンペに参加した件」です。
当日のカンファレンスから懇親会までの様子を紹介しました。
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