ツェナーダイオードを色々なパターンで破壊してみました。
順方向・逆方向の両方のパターンで電圧・電流をかけてテストしています。
ショート(短絡)とオープン(開放)の両方の故障を確認しています。
ツェナーダイオードを破壊!ショートとオープンの故障させてみた
ツェナーダイオードを破壊してみました。
VZ(ツェナー電圧)が2Vのツェナーダイオードでテストしています。
あくまで一例の結果ですが、ツェナーはショート/オープンの両方の壊れ方があります。
逆方向電圧で許容電力損失を大きく超えた状態で長時間印加しました。
その結果、オープン(開放)モードで故障しました。
また順方向電圧で瞬間的に過電流を流しました。
その結果、ショート(短絡)モードで故障しました。
ツェナーダイオードは様々な箇所で使われますので、壊れ方も多数あります。
今回使用したツェナーの種類、また各テスト内容に関して詳細に紹介していきます。
また実際のテストの様子を動画でも紹介しています。是非一緒にご覧ください。
ツェナーダイオードの使い方
ツェナーダイオードは定電圧回路として、またサージ対策部品としてよく使われています。
定電圧回路の使い方は下記記事でまとめています。(リンクはこちら)
またサージ対策の使用例としては下記記事で紹介しています。(リンクはこちら)
今回はモータやコイルのサージ電圧ではなく、定電圧をかけて破壊テストをしています。
逆方向電圧で許容損失を超えた長時間テストした際には、電源から定電圧を印加しました。
順方向で瞬間的な過電流を流したい場合は、乾電池BOXを使いました。
(安定化電源・電源モジュールなど使うと過電流保護が働くかもしれないためです)
下記記事でも紹介しましたが、乾電池にダイオードを直接接続すると簡単に壊れます。
ツェナーダイオードの向き
ツェナーダイオードの向きの判別として、カソード側にマークがあるのが基本です。
ダイオードの逆方向電圧の特性を利用するので、逆方向のカソード側にマークがあります。
基板に実装しているツェナーの例を見てもカソード側にマークがあります。
下記は24Vの入出力モジュールの基板です。
ツェナーの種類
ツェナーダイオードの種類・型番によっては、ツェナー電圧(VZ)が異なるので注意が必要です。
今回使用したツェナの型番は不明です。ツェナーダイオードのセットのものです。
(購入したセットは各ツェナー電圧(2V,2.2V,2.7V…30V)が各10本入っていました)
今回はVZ(ツェナー電圧)が2Vのものを使用しています。
VZが2Vと低いものを使用した理由は、逆電圧を掛けやすく壊しやすかったためです。
LCRメータで新品状態も確認しましたが1.85Vでしたので大体合っていそうです。
下記記事のLCRメータを使えば、ツェナー電圧も測定することが可能です。
ツェナーダイオードの破壊をテスターで確認
冒頭でも紹介しましたが、今回2パターンでテストしました。
- 逆方向電圧で許容損失を大きく超えた状態で長時間印加 → オープン(開放)モード
- 順方向電圧で瞬間的に過電流を流す → ショート(短絡)モード
テスト前のツェナーダイオードは下記状態です。
オープン(開放)モードで壊れたツェナーダイオードが下記写真です。
ツェナーの中に気泡のようなものが視られました。
長時間の間、許容電力を超えた熱の影響かもしれません。
ショート(短絡)モードで壊れたツェナーダイオードが下記写真です。
過電流を流した際には煙が出て、カソード側のマークも消えてしまいました。
テスターの確認結果
テスターの抵抗値を使った確認結果です。
ツェナーの使い方に合わせてテスターの+(プラス)をカソードに接続しています。
テスト前のVZ=2Vのツェナーダイオードは1.251MΩでした。
下記記事に記載していますが、整流ダイオードの場合は抵抗値が無限大となります。
逆方向電圧で許容損失を超えて印加したものは、抵抗値が無限大となりました。
オープン(開放)モードで故障となります。
順方向電圧で過電流を流したものは、抵抗値がほぼ0Ωとなりました。
ショート(短絡)モードで故障となります。
LCRメータの確認結果
LCRメータでも故障前と後でツェナー電圧(VZ)を確認してみました。
テスト前のツェナー電圧(VZ)=1.84Vでした。
オープン(開放)モードで故障したツェナー電圧は「測定不能」となりました
ショート(短絡)モードで故障したツェナー電圧は0Vとなりました。
まとめ
今回はツェナーダイオードの故障に関して紹介させていただきました。
記事をまとめますと下記になります。
ツェナーダイオードの故障はショート/オープンの両方がありえます
低いツェナー電圧(VZ)のものを使用すれば、簡単に故障テストが出来ます
ツェナーダイオードのセットは定電圧回路、サージ対策にも多くの場面で使えます。
ハードウェアの勉強や趣味・工作にも役立ちます。是非皆さまも試してみて下さい。
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