VitisをWindowsのPCにインストールしてみました。
本来、Vitisのインストール要件ではLinuxで高スペックPCが推奨されています。
Vitisが家庭用のPCでも動作できるのか確認してみました。
VitisのインストールをWindowsで試してみた
Vitis(Xilinxの総合開発環境)をWindowsのPCにインストールしてみました。
実際にFPGAのGPIO,I2C,UARTなどをVitisで動かせることを確認しています。
家庭用のWindowsのPCでも、簡単なテストレベルならばVitisは動作可能です。
※AIのようなアクセラレーション機能の開発はLinuxの環境が必要になります。
※本来はインストール要件でLinuxでメモリが32GB(64GBを推奨)が必要とされています
実際にWindowsのPCのVitisからFPGAの実動作を確認しています。
VitisにてC言語でFPGAのUART、GPIOを問題なくテストすることが出来ました。
インストールの手順からVitisの動かし方まで一連の流れを説明します。
下記動画含めて紹介していますので、是非一緒にご覧ください。
Vitisのインストール要件
Vitisのインストール要件はVerによって異なります。2021/5では下記要件でした。
- OS…Linux_64bit ※組み込みならばWindowsもサポート
- メモリ…32GB ※データセンター等で使うAIveoカード使う場合は64GB(推奨80GB)
- ハードディスク…100GB以上の空き容量
会社ならともかく、プライベートで下記ハイスペックPCを持つ人は限られていると思います。
基本的にOSはLinuxですが、Windowsでもエンベデッド(組み込み)開発はサポートされています。
詳細はXilinxの最新VitisのHP・ドキュメントを参照お願いします。
実際にインストールするPCスペック
今回は家庭用のノートPCにインストールします。
本来のインストール要件と比べると、スペックとしては低い汎用的なノートPCです。
- OS…Windows_64bit
- CPU…AMD Ryzen 5 3500U
- メモリ…8GB
- ハードディスク…(SSDを無理やり増設して)100GB以上の空き容量
インストーラーをダウンロードします
まずはインストーラーをXilinxのHPからダウンロードします。(リンク先はこちら)
Xilinxのアカウントを所持していない場合は、最初に登録が必要です。
必要箇所を記入してアカウントを作成します。その後ダウンロードできるようになります。
インストーラーを実行します
インストーラーを実行して、「NEXT」を押して進めていきます。
アカウント作成時に決定したユーザーIDとパスワードを入力する箇所があります。
また直ぐにインストールするか、ダウンロードのファイルを一度保存するか選択できます。
ダウンロードのファイルを残す場合、デフォルトの設定で容量が「30GB」ほど必要でした。
さらにVitisインストールで「100GB」ほど使います。
PCの容量は予め余裕をもって確保しておくようにしましょう。
Vitisをインストールします
インストーラーを進めると、何をインストールするか選択して、「Vitis」を選択します。
インストールが完了したら、「Vitis」と「Vitis HLS」のアイコンが出てきます。
今回は「Vitis」で簡単にテストします。
VitisでFPGAのテスト準備
今回は簡単にサンプルプログラムを使って「Hello World」のシリアル通信を行います。
XilinxのFPGAの評価ボードを使用します
今回はFPGAとPC間でシリアル(UART)通信を行います。
Xilinxのシリーズの中でもスペックの低いSpartan7の評価ボードでテストしています。
今回使った評価ボードに関しては下記記事で紹介しています。(リンク先はこちら)
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USBシリアル通信ケーブルを使用します
PCとFPGAの評価ボード間はUSBシリアル通信ケーブルを使用しています。
ボードにはTXD,RXDとGNDを接続している形となります。
JTAGの書き込みもVitisから可能です
FPGAのプログラム書き込みはJTAGケーブルで行います。
「Vivado」同様に「Vitis」でも自動認識して、書き込むことが可能です。
専用のJTAG-USBケーブルについては下記をご参考ください。(リンク先はこちら)
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FPGAのソフトCPUからHelloWorld
今回はFPGA内にソフトCPU(MicroBlaze)を作り、C言語でシリアル通信をします。
ハードウェアのシステム構成、設定など詳細は下記記事に記載しています。(リンク先はこちら)
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VitisからHello World
実際にWindowsにインストールしたVitisからFPGAを動かしてみました。
冒頭でも紹介しましたが、下記動画でも紹介しています。
特に問題なくシリアル通信のHello Worldが実行出来ました。
Vitisを起動する
デスクトップにあるショートカットのアイコンから「Vitis」を起動します。
Vitisでxsa(ハードウェアのデザイン)ファイルを開きます
左上のタブから「New」→「Application Project」を選択します。
Platformの選択が出てきますので、Vivadoで作成したハードウェアデザインを読み込みます。
「Create…」タブから「Browse…」から.xsaファイルを選びます。
Hello Worldのテンプレートを選択します
今回は楽するために、テンプレート箇所では「Hello World」を開きます。
helloworld.cのプログラムを確認します
アプリケーションプロジェクトの「src」フォルダにメインのプログラムが入っています。
「helloworld.c」を確認しておきます。
Vitisのシリアルターミナルを開きます
「Vitis Serial Terminal」のタブから「+」をクリックして、接続するシリアルポートを選択します。
Vitisでプロジェクトのビルドをします
プロジェクト箇所で右クリックすると「Build Project」がありますのでビルドします。
VitisでFPGAに書き込みます
ビルドが完了したら「Program FPGA」でFPGAにプログラムを書き込みます。
」
Vitisでプログラムを実行します
プログラム書き込み後は「Run As」→「1 Launch on Hardware…」を選択して、実行します。
シリアルコンソールに「Hello World」を確認できました。
今回はシリアル通信のサンプルプログラムを動かしただけです。
下記記事のようにC言語で少し編集すれば、GPIO・IIC・UART含めて制御することが可能です。
まとめ
今回はVitisのWindowsでのインストールに関して紹介させていただきました。
記事をまとめますと下記になります。
USBシリアル通信ケーブルがあれば簡単にVitisとFPGAの通信テストが可能です。
皆様もぜひ試してみてください。
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