昇圧型DC電源が壊れたので分解して故障原因を調査してみた

本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
電源

前回紹介した24V電源の使用例記事についての続きです。
今回は「昇圧型DC電源が壊れたので故障原因を解析してみた」を紹介したいと思います

前回記事はこちらから

DC24V駆動のオムロン製リレー・タイマーを動画で確認してみた
前回紹介した24V電源の使用例記事についての続きです。 今回は「DC24V駆動のオムロン製リレー・タイマーを動画で確認してみた」を紹介したいと思います 前回記事はこちらから 前回の24Vリレー動作をYoutubeにアップしてみた 前回OMR...
スポンサーリンク

昇圧型DC電源壊れたときの状況

前回OMRON製のタイマー動作を確認した後に何回かONOFFしていた最中急に電源が入らなくなりました。壊れました。

 

下記のようにスマホ充電器の大元コンセントのAC100VをONしても「USB5V」も「DC24V」出力されていない状態でした

 

何が故障したのかを切り分ける

今回は「スマホ充電器(USB5V)」⇒「昇圧型DC電源(DC24V)」という構成でしたのでどちらが悪いかを切り分けしたいと思います。(十中八九、後者だと思いますが…)

 

まずはスマホ充電器(USB5V)だけで動作を確認したところ問題なし

 

ということはやはり昇圧型DC電源(DC24V)ですね。下記モジュールの何処かの部品が壊れたことになります

次の章から調査していきます

 

電源の故障原因を探ってみる

まずはスマホ充電器(USB5V)が単体では動くにも関わらず、昇圧型DC電源(DC24V)を繋げると動かないことから

①昇圧型DC電源(DC24V)内で短絡⇒②スマホ充電器の過電流保護が動作⇒③スマホ受電器(USB5V)が出力されない」という流れと予想しました。

 

テスターで何処が短絡しているか確認する

ということでテスターで昇圧型DC電源(DC24V)で抵抗値を見ていきます。

すると出力の「OUT+」「OUT-」で抵抗値≒0Ωということで短絡していることが確認できました。(入力側の「VIN+」「VIN-」では短絡していないことも確認済)

 

短絡箇所から怪しい部品を予想する

そのため怪しい部品はDCDC_ICから出力ピンに繋がっている下記3部品となります。
これらの何処かで短絡しているはず。次の章から部品を取っていきます
「U1」 ・・・昇圧用のDCDC_IC(型番:B6287D)
「R1+R2」 ・・・FB用抵抗(R2が2.2kΩ,R1が可変抵抗100kΩ)
「C2」 ・・・出力コンデンサ(容量分からず)

 

個別に部品を取り外して故障原因を調査してみる

個別に部品を外していきます。

 

本来ならば可能性が高く簡単に取り外せるものから調査していくのですが、筆者が部品をとって基板のパターンを見たかったので大物からの「R1+R2」「U1」「C2」の順番で外していきます。

 

※本気で修理する場合は、壊れやすさ・リワークしやすい「C2」から外していきます。

はんだごて等を用意して外していきます。(今回に関しては修復は考えず調査終了後はDCDCモジュールを捨てるぐらいの感覚でバラしていきます)

 

R1:可変抵抗を取り外してみる

一番大きい部品のR1の可変抵抗から外していきます。DIP部品で可変抵抗の3ピンでしっかり実装されていますので裏から「はんだ」を入れて外していきます

 

綺麗に外せればよかったのですが、3ピンのどこかで最後に引っかかってしまいました。そのため可変抵抗をある程度浮かせれたらニッパで切ってしまいました。

そして外せたのが下記写真です。やはり大きい可変抵抗を外すと大体のパターンが見えてきます


上記写真を見てもらっても分かるのですが、昇圧後のパターンがしっかり太くなっています。(今回ここまで取り外したのは可変抵抗で隠れているパターンを確認したためです)

 

今回のDCDC_ICは最大で2A出力できる(?)ということでしたのでそれなりのパターンが引かれていました。

 

最後にスケールでパターン幅を確認すると昇圧後C2出力コンデンサ前が3mm幅で,そのあと7mm四方のベタとなっていました(1mm=1Aの考え方だと十分にパターン幅が引けています)

 

ちなみにこのR1を外しても出力の短絡状態は変わらずでした。

 

次の章でU1を外していきます

 

U1:昇圧DCDC_ICを取り外してみる

今回のモジュールの大元となっているDCDC_ICを外していきます。はんだを盛って外します。6ピンのSOT-23パッケージ型なので外すのもまだ簡単な部類です。

またこのU1を外しても出力の短絡状態は変わらずでした。

 

次の章では故障の可能性が一番高いC2:出力コンデンサを外していきます

 

C2:出力コンデンサを取り外してみる

最後にC2:出力コンデンサを外していきます。

 

正直なところ今回の3216サイズとなると2本はんだごてがあれば取り外しが楽なのですが、筆者の手元には一本しかないのでガッツリはんだを盛って外していきます。無事取り外せれました

 

そしてモジュールの出力の短絡状態を確認すると・・・
短絡状態から解消されました。(抵抗値「OUT+」「OUT-」が数十MΩ有り)

そして取り外した部品の抵抗値を確認すると・・・ほぼ0Ω。
C2:出力コンデンサがショートモード(短絡状態)で壊れていました

 

今回の故障の原因はC2:出力コンデンサの故障でした。

 

壊れた考察・対策

今回の故障(C2:出力コンデンサの故障)が起きた理由は
24V駆動のリレー・タイマーのONOFF時の逆起電力に起きるサージ(過電圧)で起きたと考察しています

 

理由としては下記らへんが考えられるかと
①ONOFFを繰り返していたときに故障した
②出力コンデンサの耐圧が不明(25V品?50V品?)
③昇圧型DC電源の出力に保護素子が何もない

 

今後の対策としては過電圧が起きやすいコイル駆動する場合にはサージ電圧吸収のためのツェナーダイオードを付けるべきだと考えています

 

今回はここまでにしたいと思います。どうもありがとうございました。

次回は今回の昇圧DC電源でも重要な部品の可変抵抗をピックアップして記事にしました。リンク先はこちらから。

DC12V/DC24V電源を可変抵抗で電圧調整する際のポイント
今回は先日紹介した12V24V電源の記事にて読者様からコメントをもらいましたのでそちらのフォロー含めての記事となります 今回は「DC12V/DC24V電源を可変抵抗で電圧調整する際のポイント」を紹介します。前回記事はこちらから。 前回の記事...

コメント

  1. sho より:

    大変詳しく書かれていて勉強になりました.
    ありがとうございました.