オシロスコープのサンプルレートからレコード長を計算してみた

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オシロスコープ

オシロスコープを使用する際にサンプルレートで注意する点をピックアップしました。

測定条件でサンプルレートは自動的に変更される場合があります。

実際にオシロで測定した波形を使って分かりやすく紹介します

 

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オシロスコープのサンプルレートからレコード長を計算してみた

オシロスコープのサンプルレートはレコード長(メモリ長)と関係性があります。

下記式で計算可能です。

レコード長 = サンプルレート(Sa/s) × 単位時間(s/div) × グリッド数(div)

 

下記波形の例の場合、レコード長(メモリ長)は24000となります。

(1GSa/s×2us/div×12div=24000)

 

オシロのスペック内であれば大体はサンプルレートは気にせず測定可能です。

周波数帯域内で1チャンネルの条件なら、ある程度サンプリングが出来るはずです。

 

「周波数帯域」についての説明は下記記事で紹介しています。

よろしければご覧ください。(リンク先はこちらから)

オシロスコープの周波数帯域を超えての測定はNG?実際に確認してみた
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但しチャンネル数が複数、またレコード長が制限がある場合は注意が必要です。

サンプルレートが最大スペックで使えないケースが出てくるためです。

結果、正確な波形が取れない場合があります。

 

サンプルレートの詳細、またレコード長の制限の影響について説明していきます

 

オシロスコープのサンプルレートの意味

サンプルレートは「波形のサンプリングするスピード」を示します。

サンプルレートが大きいほど、正確な波形が測定することができます。

 

筆者のオシロスコープは最大「1GSa/s」、つまり1秒間に1G(10の9乗)の数をサンプルします。

例えば単位時間が200usの場合、1目盛200us×1GSa/s=200000点をサンプリングしています。

そして波形全体のサンプリング数をレコード長(メモリ長)と呼ばれています。

 

レコード長(メモリ長)をサンプルレートから計算する

サンプルレートが分かると測定波形のレコード長(波形全体のサンプリング数)を計算できます。

レコード長 = サンプルレート(Sa/s) × 単位時間(s/div) × グリッド数(div)

 

少し補足的な内容ですが、下記波形(単位時間が2us/div)の例で一度計算してみます。

  1. 単位時間のサンプル数 = サンプルレート(1GSa/s) × 単位時間(2us/div) = 2000
  2. 筆者のオシロスコープの横軸全体の目盛数(グリッド数) = 12
  3. 1と2を掛ければ波形全体のサンプリング数(レコード長)になります

 

大抵はオシロの波形にレコード長まで記載していますが、計算でも出すことが可能です。

無事計算が合いました。

 

但し、オシロスコープに記載されているレコード長はあくまで波形全体のサンプル数です。

測定した後に時間軸を拡大した波形などは、表示されている値とずれてきますのでご注意ください。

 

オシロスコープでサンプリングが足りない場合

オシロスコープでわざとサンプリングが足りない場合どうなるのかを確認してみます。

レコード長(メモリ長)を制限すれば簡単にサンプル数が足りない波形を作れます。

確認する信号はオシロに備え付けられている検査用の1kHzの方形波です。

 

最初にサンプリングが足りている場合を確認します

サンプルレートが1MSa/s、単位時間が1msの設定です。

単位時間辺り1000点でサンプルしていますので、1kHzの方形波が正常に確認できます。

 

次にサンプリングが明らかに足りていない場合を確認します

サンプルレートが5KSa/s、単位時間が1msの設定です。

単位時間辺り5点でしかサンプルしていませんので、方形波が歪んでいます。

 

サンプリングが不十分だと波形が正常に測定できないことが確認できました。

 

オシロスコープのサンプルレートが変更されるとき

サンプルレートが足りないとサンプリングが減り、正常の波形が測定できなくなります。

どういった場合に起こりえるのか例を挙げてみます

 

サンプルレートはチャンネル数に影響される

オシロのサンプルレートで注意する点として使用チャンネル数で変わる点です。

例えば、筆者のオシロスコープのサンプルレート1GSa/sも使用チャンネルが1本のみの場合です。

 

そして2本以上プローブを接続して測定するとサンプルレートが下がります。

  • 1チャンネルの場合→1GSa/s
  • 2チャンネルの場合→500MSa/s
  • 3,4チャネルの場合→250MSa/s

※上記例は筆者の1例です。実際にどう変わるかは各オシロの説明書を確認する必要があります。

 

筆者のオシロスコープの詳細に関しては下記記事で紹介しています。

よろしければご覧ください。(リンク先はこちらから)

オシロスコープはおすすめ!電子工作のために購入してみた
オシロスコープを個人で購入してみました。 オシロがあれば電子工作の測定、電子回路の勉強などに使えて非常に役立ちます。 現役のエンジニアが自宅でオシロを使うメリット・デメリットを説明します。 また実際に通販で購入して、使い始めるまでの一連の流れも紹介します。

 

レコード長(メモリ長)が制限されている場合

オシロスコープのレコード長もスペックで決まっており、上限があります。

筆者のオシロスコープのレコード長(標準)の上限は12Mです。

(オプションで24Mまで対応できるようです)

 

(筆者の)レコード長の設定は「Auto(自動)」がデフォルトになっています。

オシロが自動で調整しますので通常使う分にはレコード長(メモリ長)は気にせず使用できます。

 

但し、長時間での測定はサンプルレートにも影響してきます。

長時間(ms以上)の測定ではサンプルレート最大の「1GSa/s」の維持が難しくなります。

下記は交流100V(60Hz)を測定した際の波形(単位時間100ms)です。サンプルレートは10MSa/sです。

 

単位時間が100msの場合でレコード長の上限が12Mのため、サンプルレートは10MSa/sとなります。

※サンプルレート=レコード長/(単位時間×グリッド数) ⇒10MSa/s = 12M / (100ms/div × 12div)

(ms単位の測定ではそもそもサンプルレートに拘る必要はないかもしれませんが…)

 

オシロスコープで交流100Vを測定した詳細は下記記事となっています。

よろしければご覧ください。(リンク先はこちらから)

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常にサンプリングレート最大では測定出来ないことは頭の隅に入れておく必要があります。

 

まとめ

今回はオシロスコープのサンプリングレートの注意点に関して紹介させていただきました。

記事をまとめますと下記になります。

サンプルレートからレコード長(メモリ長)は計算できます
サンプリングが不十分の場合は正確な波形が測定できません
試験条件(チャンネル数、レコード長)によってはサンプルレートに影響します

 

筆者のRIGOL DS1054Zは1GSa/sありますので、数十MHzの信号ならばある程度測定が可能です。

趣味にちょうど良いオシロスコープだと思います。

下記記事でも紹介していますので、よろしければご覧ください。(リンク先はこちらから)

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