今回は「テスターでトランジスタの直流電流増幅率(hFE)を測定した」を紹介します。
トランジスタの重要な特性である電流増幅率ですがテスターの種類によっては測定可能です。
実際にNPNトランジスタ2SC1815で測定してみます。
直流電流増幅率(hFE)とは?
一般的には「hFEってなんだよ!」と突っ込みたくなりますが説明すると大変長くなります。
そのため本当に簡単に概要だけ説明します。
トランジスタの大きな役割としては「大きな電流を制御できるようになる」ことが挙げられます。
たとえば下記のようにCPUから直接モータを回そうとしてもできません。
下記例はNGです
理由としては「基本CPUの端子からは数mAしか流せなく、モータに必要な電流が流せないから」です。
そのため、CPUの指令を基にモータ回したい一例としてトランジスタ使う場合があります。
下記のようにトランジスタを使うことで、
CPUからの端子は数mAしか流さなくてもモータに大電流を流すことができるようになります
下記例はOKです。
ちなみに上記例の電流増幅率は「β=500mA / 2mA = 250」となります
この電流増幅率βはトランジスタ毎で異なっています。
そして今回は「テスターで電流増幅率βも測定できる」ぐらいに覚えてもらえれば大丈夫です。
トランジスタ2SC1815GR(F)を用意する
今回測定するトランジスタは東芝製?の「2SC1815-GR」です。
NPNのトランジスタで汎用品として今でも非常に多く流通しています。
昔どこかで購入したものです。
詳細の説明は省きますが、3本足のICで各端子の名称はB(ベース),C(コレクタ),E(エミッタ)となっています。
1章で説明していた電流増幅率はβ=IC(コレクタ電流)/IB(ベース電流)となります。
回路図で記載する際には下記のような形になります。
テスターで測定する
それではテスターでの測定していきます。
但しテスターでも電流増幅率が測定可能なものは少数派であることをご注意ください
(また電流増幅率測定できるのは怪しいテスターが多いです…。)
筆者は2個テスター持っています。
日本製のカードテスタのHIOKI(日置電機) 3244-60 デジタルマルチメーターでは電流増幅率は測定できません。
今回測定で使うのは海外製のデジタルテスターです。
Amazonでも安く売っています。
左下の箇所にトランジスタをセットして測定のツマミを電流増幅率_hFEに持っていきます
今回のトランジスタはNPNのためB(ベース)C(コレクタ)E(エミッタ)を間違いないように差し込みます。
(PNPの箇所も横にあるため間違いやすいので注意)
測定できました。結果は347でした。
この値が正しいのかメーカデータシートを確認します。
今回使っている「2SC1815-GR」はGR品のためhFEは200~400でした。
妥当な数字のようです。
今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました
次の記事では実際にテスターを調査して直流増幅率を測定している回路図を確認していきます。ぜひ見てもらえれば幸いです。リンク先はこちらから。
また別の記事では今回テスターをLTSPICEによるシミュレーションをしています。
結果の妥当性を確認していきます。ぜひ見てもらえれば幸いです。リンク先はこちらから。
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