LED・ツェナー・ファーストリカバリーなど、ダイオードの電圧降下を測定してみました。
種類によって、またLEDの色でもVfの値は異なります。
電圧降下の小さいダイオードはどの種類なのかを分かりやすく紹介します。
ダイオードの電圧降下の大きさを比較!各種類のVfを測定してみた!
各種類のダイオードの電圧降下を確認してみました。(あくまで一例の結果です)
まとめると下記結果になりました。
基本的なダイオードのVfは「約0.7V」でした。
ショットキーダイオードのVfは小さく「約0.3V」でした。
ツェナー(低電圧)ダイオードに関しては逆方向電圧(Vr)も確認してみました。
ツェナー電圧と逆方向電圧(Vr)が一致していることを確認しています。
測定したダイオードの種類・電圧降下(Vf)、また測定環境を説明していきます。
スイッチングダイオードの電圧降下(Vf)
小信号用のスイッチングダイオードの「1N4148」で確認しました。
1N4148の電圧降下(Vf)=0.767Vでした。
整流用ダイオードの電圧降下(Vf)
汎用の整流ダイオードである「1N4007」「1N5399」で確認しました。
1N4007の電圧降下(Vf)=0.719Vでした。
1N5399の電圧降下(Vf)=0.707Vでした。
ショットキーダイオードの電圧降下(Vf)
電圧降下(Vf)が低いショットキーダイオード「1N5819」で確認しました。
1N5819の電圧降下(Vf)=0.282Vでした。
他のダイオードと比べてVfが小さいショットキーの特性が出た結果となっています。
ファストリカバリーダイオードの電圧降下(Vf)
逆回復時間が短いファストリカバリーダイオードの「FR107」「FR207」で確認しました。
FR107の電圧降下(Vf)=0.725Vでした。
FR207の電圧降下(Vf)=0.702Vでした。
ツェナーダイオードの電圧降下(Vf)
ツェナーダイオードに関しては型番は不明です。ツェナーダイオードのセットのものです。
(各ツェナー電圧(2V,2.2V,2.7V…30V)が各10本入っていました)
今回はツェナー電圧「2.2V」と「3.3V」品でテストしてみます。
電圧降下(順方向電圧)Vfはツェナー電圧「2.2V」品は0.797Vでした。
またツェナー電圧「3.3V」品では0.824Vという結果でした。
特にツェナー電圧が変わっても順方向電圧(Vf)は大きく変わらない結果となりました。
別記事となりますがツェナー2個を直列で逆向きに接続した電圧降下も確認しました。
下記記事で紹介しています。(詳細のリンクはこちら)
ツェナーダイオードの逆方向電圧(Vr)
ツェナー電圧の値で特性が大きく変わるのは「逆方向電圧(Vr)」です。
基本的に「ツェナー電圧値」=「逆方向電圧(Vr)」になります。
ツェナー電圧「2.2V」の逆方向電圧(Vr)は2.259Vでした。
ツェナー電圧「3.3V」の逆方向電圧(Vr)は3.334Vでした。
「ツェナー電圧値」=「逆方向電圧(Vr)」の結果を確認できました。
ツェナーダイオードの特性(逆方向電圧)を利用してサージ対策した記事が下記となります。
発光ダイオードの電圧降下(Vf)
各発光ダイオード(LED)の電圧降下(Vf)は下記結果になりました。
色によってVfの値が異なりますので注意が必要です。
- 赤色の電圧降下(Vf)…1.861V
- 緑色の電圧降下(Vf)…2.006V
- 黄色の電圧降下(Vf)…2.035V
- 青色の電圧降下(Vf)…2.759V
- 白色の電圧降下(Vf)…2.805V
発光ダイオードの電圧降下(Vf)に関しては下記記事で詳しく紹介しています。
発光ダイオードの電圧(Vf) 赤色
赤色の発光ダイオードの電圧降下(Vf)は「1.861V」でした。
発光ダイオードの電圧(Vf) 緑色
緑色の発光ダイオードの電圧降下(Vf)は「2.006V」でした。
発光ダイオードの電圧(Vf) 黄色
黄色の発光ダイオードの電圧降下(Vf)は「2.035V」でした。
発光ダイオードの電圧(Vf) 青色
発光ダイオードの電圧(Vf) 白色
ダイオードへの電圧と電流
今回のテストでは、ダイオードへの電圧は「5V」を使用しています。
筆者はすぐ手元にあったラズベリーパイ(raspberry pi)の5Vピンを利用しています。
抵抗は330Ωのため、電圧降下(Vf)を考慮とすると電流は約10mA前後となります。
- Vf≒0.7Vの場合… I = (V-Vf)/R = (5V-0.7V)/330Ω = 約13mA
- Vf≒2.0Vの場合… I = (V-Vf)/R = (5V-2.0V)/330Ω = 約9mA
- Vf≒2.8Vの場合… I = (V-Vf)/R = (5V-2.8V)/330Ω = 約7mA
ダイオードには制限抵抗が必要です
「抵抗なし」で電源に直結するとダイオードが壊れます。実施しないようにしましょう。
ダイオードのスペックを超える大電流が流れるためです。
今回の330Ωの抵抗はダイオードの電流を調整する「制限抵抗」の役目を持っています。
下記記事で詳細を記載しています。(リンクはこちら)
まとめ
今回はダイオードの電圧降下(Vf)の大きさに関して紹介させていただきました。
記事をまとめますと下記になります。
基本的なダイオードのVfは「約0.7V」でした。
ショットキーダイオードのVfは低く「約0.3V」でした。
電子工作の部品セットは抵抗・LEDなどが一通り入っており、電子工作の際に便利です。
ハードウェアの勉強や趣味・工作にも十分に使えます。是非皆さまも試してみて下さい。
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