特定のUSBシリアル通信ケーブルがWindows10だと使えなくなりました。
実際に使用不能になったケーブルでの症状、型番・IC含めて紹介します。
またWindows10でも使えたケーブル含めて確認しています。
USBシリアル通信ケーブルをWindows10用に購入してみた
Windows10用にUSBシリアル通信ケーブルを購入しました。
シリアル通信のICの型番はCP2102です。
ドライバのダウンロードも不要で、Windows10で問題なくシリアル通信が出来ました。
シリアル通信で電子工作(CPU・FPGAなど)のデバッグが非常に楽になります。
Windows10で使えたシリアル通信ケーブルを紹介していきます。
Tx,Rxだけでシリアル通信可能
シリアル通信はTx,RXの2本のデータ線で通信することが可能です。
(配線としてもTx,Rx以外にはGNDを接続するだけです。)
実際にデータ測定した波形が下記になります。
下記動画でも紹介しています。よろしければ一緒にご覧ください。
USBシリアル変換
USBシリアル通信ケーブルの中には変換ICがあります。
数多くのシリアル通信ケーブルが販売されていますが、変換ICの種類も多数あります。
(下記の変換ICの中では、PL2303以外はWindows10で問題なく使えました。)
シリアル変換ICで使用できる(ボーレートの)設定も変わります。
下記記事で実際に確認しています。(リンク先はこちら)
USBシリアル通信のボーレートの最大は?通信速度(bps)をオシロで確認
CP2102はドライバCDが不要でした
変換ICの種類によっては、Windows10でドライバのインストールが必要になります。
筆者の環境では、今回購入したCケーブルはドライバCD不要でシリアル通信できました。
(一応CDが入っていましたが、全く使わなかったです)
下記記事のFPGAのデバッグで問題なく通信できました。
(他にもTertermなどのターミナルでも問題なく動作確認しています。)
Linuxでも問題なく使えます
ラズベリーパイ(Linux)に今回のケーブルを接続して、正常動作確認しました。
下記コマンドでログを確認すると、Silicon Labs製のCP2102であることを確認出来ました。
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[ 2.022760] usb 1-1.3: new full-speed USB device number 3 using xhci_hcd [ 2.160005] usb 1-1.3: New USB device found, idVendor=10c4, idProduct=ea60, bcdDevice= 1.00 [ 2.160023] usb 1-1.3: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=3 [ 2.160039] usb 1-1.3: Product: CP2102N USB to UART Bridge Controller [ 2.160053] usb 1-1.3: Manufacturer: Silicon Labs [ 2.160068] usb 1-1.3: SerialNumber: 0001 [ 4.922739] usbcore: registered new interface driver brcmfmac [ 5.021869] usbcore: registered new interface driver usbserial_generic [ 5.021940] usbserial: USB Serial support registered for generic [ 5.027329] usbcore: registered new interface driver cp210x [ 5.027406] usbserial: USB Serial support registered for cp210x [ 5.059783] usb 1-1.3: cp210x converter now attached to ttyUSB0 |
RTS/CTSフロー制御が可能
今回のケーブル購入した目的の一つがRTS/CTSフロー制御です。
データ線のTX・RXだけでなく、CTS/RTSの通信にも対応しています。
接続が1ピン毎のコネクタとなっており、あらゆるデバッグで対応できます。
下記記事で実際にRTS/CTSの波形含めて紹介しています。(リンク先はこちら)
PL2303がWindows10で認識しない
Windows7まで使用できていた格安のUSBシリアル通信ケーブルが、10だと使えなくなりました。
(今回新しくUSBシリアル通信ケーブルを購入した一番の理由です)
Prolific Technology製PL2303というUSBシリアル変換ICを使っていました。
実際のケーブルは下記です。
Linux(ラズパイ)では今まで通り使えました。実際にログは下記です。
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[ 508.526438] usb 1-1.3: new full-speed USB device number 5 using xhci_hcd [ 508.660882] usb 1-1.3: New USB device found, idVendor=067b, idProduct=2303, bcdDevice= 3.00 [ 508.660898] usb 1-1.3: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=0 [ 508.660911] usb 1-1.3: Product: USB-Serial Controller [ 508.660923] usb 1-1.3: Manufacturer: Prolific Technology Inc. [ 508.741518] usbcore: registered new interface driver pl2303 [ 508.741591] usbserial: USB Serial support registered for pl2303 [ 508.752953] usb 1-1.3: pl2303 converter now attached to ttyUSB0 |
下記記事を参考にWindows10でドライバ更新も試みたのですが、上手くいきませんでした。
https://linkgear.jp/windows/win10/201903301163.html
症状としては、TeretermからはCOMポートを開くことが出来ませんでした。
(但し、Windows10のデバイスマネージャーにはPL2303が見えている)
(筆者の設定が上手くできていないだけかもしれません。)
PL2303のUSBシリアル通信ケーブルはLinux用にでもしてきたいと思います。
まとめ
今回はWindows10で使えるUSBシリアル通信ケーブルに関して紹介させていただきました。
記事をまとめますと下記になります。
USBシリアル通信ケーブルはデバッグ時に非常に便利なツールです。
Windows10でも問題なく使えるケーブルを購入することをおススメします。
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