ラズベリーパイの回路図は部分的にですが公式HPで公開されています。
回路図を確認しながらラズパイの電源構成・シーケンスを調査してみました。
最新のラズパイの電源回路構成を分かりやすく紹介します。
ラズベリーパイの回路図から電源構成を調査してみた
最新のラズベリーパイ4でも回路図は部分的ですが公式HPで公開されています。
公開されている箇所は主に「電源」と「コネクタ」周辺回路です。
回路図を確認して、ラズパイの電源構成を調査してみました。
実際にオシロスコープでラズパイの電源シーケンスの測定まで実施しました。
5VからラズパイのCPU・LPDDR4への電源まで測定しています。
ラズパイの電源回路構成の詳細を紹介していきます。
ラズベリーパイの電源はCPU性能に大きく影響が出ることを下記記事で紹介しています。
是非合わせてご覧ください(リンク先はこちら)
最新のラズベリーパイからzeroまで回路図がある
ラズベリーパイ財団の公式HPから部分的(電源・コネクタ周辺)ですが回路図が確認可能です。
最新のラズベリーパイ4Bから特殊なタイプのzeroまで回路図をPDFで見ることができます。
(英語ですがリンク先はこちらから)
古いラズベリーパイ1Bならば全体の回路図があり
古いラズベリーパイ1BならばDesignSpark様のHPで回路図が公開されています。
ラズベリーパイ4Bの電源回路構成
回路図を確認しつつ最新のラズベリーパイの電源回路構成を確認します。
ラズベリーパイ4BではTypeCの5VからCPU含めた各ICに必要な電源を作っています。
ラズパイ4Bは高スペックな分、従来機種に比べて5Vの消費電力が増加しています。
下記記事で消費電流を比較しています。(リンク先はこちら)
ラズパイ4Bは大きく分けて2つの電源IC(PMIC,DCDC)がありますので調査していきます
筆者が描いた簡易的な回路図だと下記イメージです。(細かい部品は省略しています)
※あくまで筆者の簡易的な調査です。参考扱いでお願いします。
PMIC(MxL7704)
ラズパイ4Bの電源の大部分がTypeCコネクタ傍のPMIC(パワーマネジメントIC)で作られています
メーカ・型式はMaxLinear製MXL7704-P4とパッケージに記載がありました。
今回のPMIC(複合電源IC)には「4つのDCDC電源」「一つのLDO電源」が搭載されています。
4つのDCDC電源ではCPU・DDRなどの各ICに必要な電源が作られています
- 3.3V(CPU含めた各ICの電源)
- 1.8V(LPDDR4含めた各ICの電源)
- 1.1V(LPDDDR4などのIF電源)
- VDD_CORE(CPUのコア電源_大体0.85V)
1つのLDOではオーディオ用の電源が供給されていました
- 3.3V_AUD(オーディオ用の電源)
DCDC(1.03V出力)
ラズベリーパイ4B(メモリ4GB以下)ではUSB2.0コネクタ付近にもう一つ電源ICがあります。
DCDC電源で1.03VをCPU,VLI(USBコントローラ)の2か所に供給しています。
ICサイズが小さくメーカ・型式までは分かりませんが、DCDCの電源ICが搭載されています。
ラズパイ4Bのメモリ8GBは電源が変更
ラズベリーパイ4B 8GBが2020年5月に販売されました。
先述した1.03V出力のDCDC電源の位置が変更されているということです。
PMIC横の5Vコンデンサの位置と交換されています。
メモリ関連の消費が増えた影響か、よりCPUに近い位置に電源ICを置きたかった様子です。
ラズベリーパイの電源シーケンスを測定してみる
ラズパイ4Bの電源構成を回路図・外観のパターンからある程度調査出来ました。
折角ですのでPMICの4つのDCDCの電源シーケンスを確認したいと思います。
ラズベリーパイの電圧測定
ラズベリーパイの電圧測定するためにオシロスコープのプローブを接続します。
5Vと3.3Vに関してはGPIOピンから、DCDC測定時は出力コンデンサ箇所で測定しました。
今回電源シーケンスの測定に使った4chのオシロの詳細は下記記事で紹介しています
よろしければ一緒にご覧ください。(リンク先はこちらから)
PMICの電源シーケンスの測定結果
まず最初に5V,3.3V,1.8Vの電源シーケンスを確認しました。
5V→3.3V→1.8Vの順に電源が立ち上がっていることが分かります。
次に5V,3.3V,1.1V_DDR,VDD_COREの順で測定します。
5V→3.3V→(1.8V)→1.1V_DDR→VDD_COREの電圧順に電源が立ち上がっています。
PMICの大体の立ち上がりシーケンスを確認できました。
まとめ
今回はラズベリーパイの回路図・電源構成に関して紹介させていただきました。
記事をまとめますと下記になります。
ラズベリーパイ(raspberry pi)は回路が把握でき、勉強用としても非常に使えるデバイスです。
そして測定に使用したRIGOL DS1054Zのような4chオシロがあれば更に理解が深まります。
ぜひ皆さまもオシロスコープを触ってみて下さい。
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