技適未取得の海外製品を使うために総務省の特例制度を手続き・届け出をしてみました。
ラズパイ4の例で申請方法を一から説明します。
Wi-FiやBluetoothなどの無線機能を持った技適マークなしの海外製品をいち早く使いたい方のための記事です。
技適マークなしの海外製品が使える!総務省の特例制度を申請してみた
2019年11月20日から総務省の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」が使えるようになりました。
今までは実験目的でも技適マークがないと無線機能を持つ製品は日本国内では使えませんでしたが、この特例制度を使うことで使えるようになります。(目的・期間に制限はありますが…)
Web届出システムの運用は2020年春ごろから
Web届出システムは開発中で運用は2020年春ごろからということでした。
そのため現在2019年の先行運用期間中は書面での手続きが必要ということです。今回は書面での手続き方法を紹介します。
またWeb届出システムも運用開始されたら記事にしたいと思います。
Web届出システムでも確認しました。同様な対応で可能でした。(リンク先はこちら)
無事申請できれば、その日から使えるようになります。
但し現在は「オンライン」か「窓口」での本人確認が必要となっています。
実際に総務省の通信局で本人確認してきました。下記記事で紹介しています。
ラズベリーパイ4で技適の特例制度を申請してみた
あくまでこの特例制度は「短期間の実験等」の目的が前提条件のため、今回はRaspberry Pi 4 model Bを実験に使うことを目的として申請してみます。
筆者が持っているラズパイ4の1台が技適マークがない製品で、購入した後に電源を入れることが出来ませんでした。
発売当初に購入した際の記事が下記になります
まずは総務省のフローに従い、手続きに該当する機器なのかを確認します。(総務省のリンク先はこちら)
無線機器の表面、包装又は取扱説明書に技適マークがあるか?
今回の筆者が所持しているラズベリーパイ(raspberry pi)は表面、包装、取扱説明書は技適マークがありませんので申請対象です。(そもそも技適マークあれば、申請必要ないですね)
電波に関する外国の認証があるか?
ラズパイ4には外国の認証(FCC ID,CEマーク)がついていますのでOKです。
無線の規格、周波数帯などは基準の範囲内か
ラズパイ4の無線規格はWi-Fiの「IEEE 802.11 b/g/n/ac」、Bluetoothの「5.0」ですので申請基準の範囲内です。
180日以内の短期間の実験・試験・調査で使用するものか?
どの目的でも特例申請できるのではなく、あくまで「実験・試験・調査」で使用する目的が必要になります。
期間に関しては特に申請する際に定める項目はなく、必然的に「180日以内」になる様子です。
総務省の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を申請してみる
ここからは筆者が行った申請した方法となります。あくまで個人の一例ですので、参考扱いでお願いします。
現在申請中の途中情報です、また申請通りましたら再追記する予定です。⇒無事、申請通りました。
筆者の環境では11/24(日)に届出を郵送⇒11/25(月)の夕方には届出が受付されました。
届出書に記入するメールアドレスを登録する
最初に総務省のHPに行ってメールアドレスの申請します。(リンク先はこちらから)
「指定のアドレス」に「指定の件名」で空メールを送ると下記メールが送られてきて、届出書に記入できるURLリンク先が送られてきます
法人・個人どちらでも届出書作成可能
リンク先から登録したメールアドレスを使用して、届出書作成していきます。
届出者の情報
届出者の情報を記入します。「個人」でも届出書作成可能でしたので「個人」を選択して筆者の氏名・住所を入力しました
緊急連絡先
緊急連絡先として電話番号と担当者名も記入する必要がありました。筆者は普通に自分の携帯と名前を記入しました。
実験の目的及び規格
まずは実験・試験・調査の目的を記入しました。
今回は筆者は「Raspberry Pi 4 Model B/2GB を用いた ラズベリーパイ4という汎用モジュールが産業用途としての電気的仕様・スペックを満たすかの実験」という名目で申請。
(筆者も抽象的に書きましたが、いったんこれで通るのか試してみたいと思います。ダメだったらもう少し具体的に書いて再申請する予定…⇒無事通りました)
次に無線設備の規格をチェックします。今回のRaspberry Pi 4 model Bに該当するWi-Fi「IEEE 802.11 b/g/n/ac」,Bluetooth「5.0」箇所をチェックしました。
(他にもZigbee,LPWA,sXGP,ミリ波レーダー,電波法第三章に定める技術基準の項目があったが、今回は該当しないので省略)
また相当技術基準に適合していることの確認方法にもチェックします。
おそらくほとんどの方が「無線設備本体や取扱説明書、パッケージの表示により、次の全ての内容を確認しました。」だと思います。
運用開始の予定期日
運用開始の予定期日を記入します。
筆者は届出書を出してから承認が通るまで何日かかるか分かりませんでしたので郵送後の2週間後ぐらいの日程で書いておきました。
(筆者の環境では届出郵送から2日ぐらいで届出受付されましたので1週間ぐらいの余裕で良いかもしれません)
無線局(使用する無線機器)ごとの情報
使用する無線機器の識別番号,製造者,型式,設置場所を記入していきます。筆者の場合は下記内容を入力しました
機器を識別する番号等(シリアルナンバー)…OC-118_919
機器の製造者…ラズベリーパイ財団
機器の型式又は名称…Raspberry Pi 4 Model B/2GB
設置場所・移動範囲…自宅の住所
屋内でのみ使用…チェックする
機器を識別する番号等(シリアルナンバー)
本来ラズベリーパイ(raspberry pi)1台1台にシリアルナンバーが割り振られていて、下記コマンド一発で分かります。
但し今回は技適マークが無く電源が入れれずコマンドも打てないので、基板裏面に書いていた「基板生板番号?+Rev?_OC-118_919」で一旦代用しました。(筆者の環境下ではこれで識別できるはず…)
⇒特に問題なく届出受付されました
届出を行う
あとは青いボタンから印刷+署名または押印してから該当する通信局に送付します。
おそらく「**総合通信局」の「電波利用企画課」の宛先が住所によって自動で変更されます。
印刷ページは入力した内容ベースに届出が自動的に作成されます。結構簡単でした。
あとは郵送するか、直接持っていくかして承認されるのを待つのみとなります。
あとは届出が受け入れられたら、メールアドレスに連絡が来るということです。また別途追記予定⇒無事メールアドレスに連絡きました
<<20191126追記>>
無事、郵送2日後には総務省から届出受付のメールが来ました。対応早かったです。
終了する際の廃止届出のURL先も一緒に載っていました。
まとめ
まだWeb届出ができなく書面の手続きが必要で少し手間ですが、今まで技適の関係で実施できなかった実験・評価ができるようになることは非常に素晴らしいことだと思います。
フロー進めるだけで簡単に申請できましたので、ぜひ皆さまも実施してみてください
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