ラズベリーパイにPoE給電!PoE HATの実力を確認してみた

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PoE

Raspberry Pi PoE HATでラズベリーパイ4に給電してみました。

PoE HATの給電がラズパイの消費電力・発熱で問題ないか含めて確認しています。

PoE HATへの取り付け方から給電の仕方まで紹介します。

 

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ラズベリーパイにPoE給電!PoE HATの実力を確認してみた

PoE HATを装着することでラズベリーパイにPoE給電が可能になります。

 

PoE HATは「ラズベリーパイ3B+」「ラズベリーパイ4B」両方に装着可能です。

 

消費電力・発熱が大きいラズベリーパイ4でもPoEで正常動作を確認しています。

PoE HAT備え付けのFANが動作して、負荷時のCPU温度・クロック共に問題無しでした。

 

PoE HATのスペック、またテストした内容を詳細に説明していきます。

PoE給電の詳細・仕組みに関しては下記記事で紹介しています。(リンク先はこちら)

PoE給電の仕組み!LANケーブルの電圧を測定してみた
PoE給電中のLANケーブルの電圧を測定してみました。 ハブが対応機器を検出して供給するまでの流れ含めて確認しています。 PoE給電の仕組みを分かりやすく紹介します。

 

ラズベリーパイ4にPoE HATは装着可能

PoE HATはラズベリーパイ公式から販売されているオプション品となります。

PoE HATはラズベリーパイに上から被せる形で簡単に装着可能です。

固定に必要なネジ・スペーサはPoE HATに同梱されています。

 

PoE HATは「ラズベリーパイ3B+」「ラズベリーパイ4B」両方に装着可能です。

但し、DDR,USBコントローラのヒートシンクは外す必要があります。

付けたままだと干渉して取り付けれませんでした。

 

PoE HATではなくPoEスプリッターを使ってラズパイにPoE給電も試してみました。

下記記事で紹介しています。(リンク先はこちら)

PoEスプリッターでUSBの5Vを給電してみた
PoEスプリッターを使ったPoE給電を確認してみました。 分離された「USBの5Vの電圧」と「通信速度」が問題ないかをテストしています。 PoEスプリッターのメリットとデメリットを分かりやすく紹介します。

 

PoE HATはFAN付き

PoE HATはFANが予め取り付けられています。(取り付け作業はありません)

そのため発熱の大きいラズベリーパイ4でもPoE HATを安心して装着可能です。

 

PoE HATのFANはI2Cで制御

PoE HATのFANは(省エネの観点か?)常時ONではありませんでした。

詳細は後述しますが、テストした結果CPU温度が50℃を超えるとFANがONします。

常時ONでなくても、十分に安定した温度を維持できていました。

 

パターンを見るとラズパイの基本使わない27,28ピンとPoE HATのICが繋がっていました。

CPU温度が50℃を超えるとラズパイ側からI2Cで制御しているということです。

PoE HAT内のIC経由でFANは制御されています。

 

ちなみにFAN制御しているICは「Microchip(旧ATMEL)製の(AT)TINY814」でした。

小さなAVRマイコンがPoE HATのFAN制御に使われています。

 

PoE HATはGPIOのピンヘッダが隠れてしまう

PoE HATを装着する一番のデメリットは「GPIOのピンヘッダが隠れてしまう」です。

(なぜ上側にピンヘッダを出してくれなかったのか…)

GPIOを使わない人ならば問題ありませんが、使う人は注意が必要です。

 

ピンヘッダ付きのPoE対応機器も市販にあり

「公式のPoE HAT」はピンヘッダが使えませんが、ピンヘッダが使えるPoE HATもあります。

現在は下記のような3rdパーティ製のPoE HATが安く販売されています。

 

特に「公式のPoE HAT」に拘らないのであれば、3rdパーティ製を試すのもありだと思います

 

PoE HATの概要

PoE HATの概要について簡単に紹介します。大きな役割は下記2つです。

  • 「PoEのPD(受電)側」の機器としてのインターフェース
  • 「PoE給電の48V」を「ラズパイの電源の5V」に変換

 

PoE HATの大まかな電源の流れを基板上(裏側の写真)で説明すると下記になります。

左上の4ピンのコネクタ経由からLANケーブル内のPoE給電48Vが供給されます。

48Vが「IC:MP8007」⇒「トランス」を通して5Vになります。

 

PoE HATのケースの裏側を見ると「36V~56V入力」「5V_2.5A出力」と記載があります

ラズパイ4を動かすために十分な電源は持っています。

 

PoEのPDコントローラIC(MP8007)

PoE HATの一番重要なICがトランス傍にあります。PDコントローラICのMP8007です。

メーカはMonolithic Power Systemsです。(データシートはこちら)

「PD機器としてのIC」「48V→5V変換IC」の両方の役割を果たしています。

 

ラズパイ4のPoE給電のテスト

ラズパイを動作する上で仕様としては十分なスペックを持っていることは確認できました。

実際にPoE給電してラズパイ4としての動作が問題ないか確認していきます。

 

結論としては「PoE HATの給電能力は問題有りません」でした。正常動作を確認しました。

 

発熱によるCPU温度の確認

リアルタイムでCPU温度をプロットするPythonプログラムを動かし、発熱を確認しました。

 

実際に動かしたPythonプログラムは下記記事で紹介したものです。(リンク先はこちら)

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結果はCPU温度が50℃以上を超えると、PoE HATのFANが動作しました。

CPUが冷却されて安定した温度が維持できています。

(45℃程度でまたFANが停止⇒再度50℃超えるとFANが動作する…の繰り返し)

 

CPUが最大クロックを維持できることの確認

PoE給電中のラズパイ4のCPUクロックが最大の1500MHzが維持できるか確認しました。

こちらもPythonのプログラムを動かし、CPUクロック数を監視させました。

 

もし仮にラズパイの電源が安定しないとクロックが600MHzまで低下します。

下記写真はわざと不安定な5V電源を使った場合のCPUクロックです

 

Pythonのプログラム含めて下記記事で紹介しています。(リンク先はこちら)

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結果は問題ありませんでした。

PoE給電中でもラズパイ4の最大クロックの1500MHzを維持できていました。

 

Unixbenchによるスペックの確認

最後にベンチマークソフトでPoE給電中のラズパイのCPUスペックを確認しました。

ベンチマークソフトはUnixbenchです。

PoE給電中のベンチマークスコア値は「790.5」でした。

 

安定したラズベリーパイ専用電源だとのスコア値は「796.8」です。

PoE給電とほぼ変わりません。

そのためPoE給電はラズパイ専用電源並みに電源が安定していることが分かりました。

 

ちなみに適当なスマートフォンの電源を使った場合のスコア値は「284.9」となります。

ラズパイ専用電源の時と比べて不安定な電源の場合、約1/3のCPU性能値に落ちています。

 

まとめ

今回はラズベリーパイのPoE HATに関して紹介させていただきました。

記事をまとめますと下記になります。

PoE HATは「ラズベリーパイ3B+」「ラズベリーパイ4B」両方に装着可能
PoE HATによるPoE給電は発熱・クロックともに問題無し

 

PoE HATを使えばラズベリーパイもPoE対応でき、専用電源並みに安定しています。

公式のPoE HATでなくとも、安価な3rdパーティ製のPoE HATの選択肢もあります。

是非皆さまもPoE給電を試してみて下さい

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