Raspberry piで産業・業務利用の使い方をまとめてみました。
センサー、カメラ、プログラミングと多くのことがラズパイ1台で可能です。
仕事でも使えて、自分自身の勉強にもなる活用方法を具体的に紹介します。
ラズベリーパイができること!産業利用・業務利用の使い方を紹介
昔のラズパイ1B+でも多くのIFを持ち、多くの機能が使えます。
しかし、CPU・メモリ含めてスペック不足が否めませんでした。
そのため「産業利用・ビジネス用途」で使うには少しハードルがありました。
最近のラズベリーパイはスペックが非常に高く、できることも非常に多いです。
今回は「産業」「ビジネス」用途でラズパイが使えることを紹介します。
Raspberry Pi 4の性能・スペック
最新の「Raspberry Pi 4B」と前世代の「Raspberry Pi 3B+」を比較すると下記の性能・スペックになります。
Raspberry Pi 4 model B | Raspberry Pi 3 Model B+ | |
SOC | Broadcom BCM2711 | Broadcom BCM2837B0 |
ARMコア | Cortex-A72 64bit (Quad-Core) |
Cortex-A53 64bit (Quad-Core) |
CPUクロック | 1.5GHz | 1.4GHz |
RAM | LPDDR4 1GB ,2GB or 4GB |
LPDDR2 1GB |
USB | USB3.0 x 2 + USB2.0 x 2 | USB2.0 x 4 |
Ethernet | Gbit Ethernet (1Gbps) |
Gbit Ethernet over USB 2.0(Max 300Mbps) |
HDMI | micro HDMI x 2 | HDMI x 1 |
電源 | USB TypeC(5V_3A) | USB MicroB(5V_2.5A) |
最新のラズパイ4に関しては「CPUはクアッドコア」「メモリも4GB」も搭載されています。
一般用のPCと遜色がないぐらいのスペックを持つようになっています。
Raspberry piを業務利用での使い方
ラズベリーパイを業務で使うことで業務改善・コストダウンが見込めます。
理由としては下記点が考えられます
・「ラズパイの購入費用」が「一般的なPCの購入費用」と比べて遥かに安い
・ラズパイはプログラミングに必要な環境がインストール済(環境構築が楽)
・ラズパイでの業務改善の記事がネット上で溢れているので情報取集が楽
ラズパイをサーバーとして使う
最新のラズパイでサーバーとしての性能が格段にスペックアップしています。
従来のラズベリーパイ3B+では有線LANはUSB2.0のIF経由で動作していました。
そのため最大300Mbpsと速度が制限されていました。
しかし最新のラズパイ4は「Gbit Ethernet(1Gbps)」にスペックアップされています。
有線LANはギガの通信帯域があります。
特にReadの一部では約2~3倍以上の通信速度を出すことができました。
ネットワークの通信帯域(300Mbps⇒1Gbps)の性能アップがそのまま通信速度に出た結果となりました。
「ラズパイの購入費用」が「一般的なサーバーPCの購入費用」と比べて遥かに安いです
今までサーバとしてスペック不足でラズベリーパイを採用できなかった箇所に採用することでコストダウンが見込めます。
詳細は下記記事にてご覧ください。
OPC UAのサーバーとしても使用可能
サーバーにも多くの種類があります。(NASサーバー、WEBサーバー・・・などなど)
ラズパイを産業用の通信規格であるOPC UAサーバーとしても使用することができます。
下記記事でOPC UAサーバー + PLCとしての使用例を紹介しています。(リンク先はこちら)
ラズパイをプログラミング教材で使う
ラズパイはプログラミング言語のPythonが既にインストールされています。
またThonnyという初心者にも操作しやすいPythonの総合開発環境がインストール済です。
プログラムを書いて「Run」ボタンを押せば直ぐに実行できます
プログラムを一から教える環境としても非常におすすめです。詳細は下記記事を参考ください。
多くの人数分のプログラム環境構築が必要になる「教育分野」でラズパイが非常に役立つと考えています。
ラズパイはSDカードさえコピーすればバックアップ・環境構築が出来ます。
プログラム教育を運用する側にとって大変楽になると思います。
ラズパイとScratchは小学生のプログラミングでも簡単
最近では小学校からプログラミング教育が始まるようです。
実際に小学校のログラミング教育の研修教材として「Scratch」が文部科学省から推奨されています。(詳細のリンク先はこちらから)
ラズパイには「Scratch」がデフォルトでインストールされています。
ラズパイに電源を入れて、左上のメニューから「プログラミング」⇒「Scratch3」を選択するだけです。
小学生のプログラミングの予習・復習としてもラズベリーパイ(raspberry pi)があれば楽になりますので非常におすすめです。
ラズパイをセンサーとして使う
ラズパイはI2C・SPI・UARTなどの多くのインターフェースを持っています。
様々な種類のセンサ・デバイスを接続可能です。下記写真ではI2Cで加速度センサ(とEEPROM)を接続しています
Pythonを使えば自由に加速度センサの値を読みことが出来ます。
実際に試すことで非常にハード・ソフトの勉強にもなります。詳細は下記記事をご参考ください。
ラズパイとセンサー接続する記事はネット上で溢れています。
使いたいセンサーを調べて、簡単に実践することができますので非常におすすめの使い方です。
ラズパイをデータロガーとして使う
ラズベリーパイをデータロガーとしても使うことが可能です。
USB接続のAD変換のボードを接続すれば簡単にデータロガーを自作することが可能です。
AD変換のボードで電圧が測定できるため、スイッチ・温度センサーなども接続可能です。
ラズパイで測定したデータをタイムスタンプと共にファイル出力できます。
Pythonでアナログの電圧値を確認して、データ収集からグラフ化まで対応できます。
ラズパイでのAD変換ボードの使い方を下記記事で詳細を紹介しています。
Arduinoと連携してデータロガーとすることも可能
特別なAD変換ボードが無くても、Arduinoを連携させることでデータロガーにできます。
ラズパイとArduinoをUSB1本で接続することが可能です。
Pythonを使ってリアルタイムでアナログ電圧を測定・プロットが可能です。
ラズパイとArduinoとの連携方法を下記記事で紹介しています。(リンク先はこちら)
ラズベリーパイを産業利用での使い方
何か仕事でプロトタイプを開発したい場合、ラズパイは非常に便利なツールです。
ラズパイは先述したセンサーだけでなく、カメラも簡単に接続できGPIO出力も可能で産業用途でも応用が効きます。
ラズパイでリアルタイムの画像処理する
最近のトレンド技術であるAI・機械学習を用いた画像処理もラズパイで可能です。
ラズパイのカメラもGPIOもPythonから制御できますので、自由にプログラミングすることが可能です。
ラズパイのカメラの使い方をまとめた記事は下記になります。
基礎からリアルタイムの画像処理までを紹介しています。よろしければご覧ください
ラズパイの画像処理の速度を高速化する
最新のラズパイ単体でも相当な画像処理の速度が出ます。
しかし最新のラズパイにエッジデバイスを接続すれば数msという高速の画像処理が可能です。
最新のラズパイのUSB3.0は画像認識する上でもスペックアップにつながっています
画像処理を高速化するエッジデバイスCoral USB Acceleratorについては下記を参考ください
ラズパイで物体検出をする
ラズパイの画像処理で写真から物体検出が可能です。
下記例ではラズパイのカメラでコインを画像認識して物体検出しています。複数枚のコインが検出できています。
その際にまとめた記事は下記になります。よろしければご参考ください
ラズパイで物体認識をする
ラズパイの画像処理で物体認識が可能です。
下記例ではラズパイがテニスボールと認識したらGPIO出力するようにしています。
その際にまとめた記事は下記になります。よろしければご参考ください
ラズパイを工場のIOTの事例で試す
ラズパイは無線LANの機能も有りますので、簡単に工場でのIOTの事例も試せます。
下記例ではラズパイを工場で使うコントローラ(PLC)にして、スマートフォンから遠隔操作・監視をしています
その際にまとめた記事は下記になります。よろしければご参考ください
シーケンス制御の勉強としてラズパイを使う
工場の制御で使われているシーケンス制御をラズパイを使うことで無料で勉強することが出来ます。
正直シーケンス制御に関しては実際の現場に出ないと学べないことが沢山あります。
しかし初歩的な箇所を勉強するだけならばラズパイで可能です。
高価なソフト・機器を購入しなくても大丈夫です。
その際にまとめた記事は下記になります。よろしければご参考ください。
ラズパイを産業利用する上での課題
ラズパイを産業利用する場合は注意する点があります。CPU温度に関してです。
ラズパイのCPU温度に関してはラズベリーパイ財団から「85℃」が上限にされていることが記載されています。
ラズパイ4もCPU温度が85℃近くになるとCPUパフォーマンスを落とします。
Overclocking・Overvoltageがdisabledにされるそうです。
デバッグ・テスト環境ならばCPU上の小さなヒートシンク付けておけば大丈夫だと思います。
しかし「夏」「密閉空間」などの要因を考慮すると放熱対策が必要になります。
その際にまとめた記事は下記になります。よろしければご参考ください。
まとめ
ラズパイのできることを業務利用・産業利用でまとめてみました。
ラズベリーパイ(raspberry pi)が1台あればテスト・デバッグレベルならば大抵のことは対応可能です。
ぜひ皆さまもラズパイを使って業務改善・効率化してみてください
コメント
私と同じように考えていらっしゃる方がいて感動すらしました。
Pythonやプログラミングの経験がなく
最近真剣にスクールに通おうかと思ってるくらいです。
著者の方はどのようにしてプログラミングスキルを身に着けられましたか?
お世話になっております。
管理人のミソジです。コメントありがとうございます。
筆者の場合は大学で少しプログラミングを学び、Python始めたのは社会人になってからです。
一度下記記事UdemyのPythonのを受けてみた後に、趣味でコツコツと勉強かつ遊んでいます。
https://misoji-engineer.com/archives/python-machine-learning.html
正直なところ筆者も「こんなことPythonで出来ないか?」と常に思いつきでネットで調べて、プログラムしているレベルです
何事も最初の一歩を踏み出すのは大変かもしれませんが、ぜひプログラミングも一度体験してもらえれば幸いです。
仕事でも趣味でも自分の出来る事・範囲が広がっていくと思います。