オシロスコープのプローブの仕組み!補正と倍率箇所を分解してみた

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オシロスコープ

オシロスコープのプローブを分解して、構造を確認してみました。

倍率の切り替え箇所や補正箇所の多くの写真交えて紹介します。

プローブの仕組みを理解しておくことで、波形測定に役立ちます。

 

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オシロスコープのプローブの仕組み!補正と倍率箇所を分解してみた

オシロスコープのプローブを分解してみました。

一般的に10:1プローブ、またはパッシブプローブとも呼ばれるものです。

 

プローブの倍率の切り替え箇所、補正箇所の構造を確認しました。

使用されている部品(抵抗、可変コンデンサ)まで紹介します。

 

使わなくなったプローブを分解してみる

今回分解したプローブは、USBハンディ型のオシロスコープに付いてきたものです。

(昔購入した、半分おもちゃのようなオシロで満足に測定出来ませんでした)

 

下記記事で紹介したように別のオシロスコープを購入したので、未使用になりました。

オシロスコープはおすすめ!電子工作のために購入してみた

折角なので余っているのプローブを分解してみます。

 

プローブの等価回路

今回分解したプローブの等価回路は下記の形となります。

調整用トリマ(補正用のコンデンサ)がコネクタ側にありました。

 

分解したプローブのデータシートによると下記仕様でした。

調整用トリマ(補正コンデンサ)は15~45pFとなります。

  • 型番(Model)…P6060
  • 帯域(Bandwidth)…60MHz
  • 入力抵抗(Input Resistance)…1MΩ/10MΩ±2%
  • 入力コンデンサ(Input Capacitance)…10X:14~18pF
  • 補正領域(Compensation Range)…15~45pF

 

プローブで調整トリマの箇所が違う

同じ10:1プローブ(パッシブプローブ)でも調整トリマの場所が違う場合があります。

筆者が現在使っているものでは、プローブ箇所に調整トリマがあります。

 

上記例の等価回路としては下記イメージになります。

 

プローブの補正コンデンサ容量に関しては、データシートに記載があります。

現在筆者が使っているプローブのスペックは下記となります。

  • 型番(Model)…PVP2150
  • 帯域(Bandwidth)…150MHz
  • 入力抵抗(Input Resistance)…1MΩ±1%/10MΩ±1%
  • 入力コンデンサ(Input Capacitance)…10X:10pF±5pF
  • 補正領域(Compensation Range)…10pF~25pF

 

プローブを分解してみた

プローブを分解前後の写真が下記となります。

境目を上手く外せれば綺麗に対応できました。使用した工具はニッパ・ペンチ程度です。

プローブ箇所、倍率切り替え箇所、調整トリマ箇所の詳細を紹介します。

 

プローブのグランドリード

プローブの先端カバー(フック)を外して、グランドリードも外すと下記形になります。

※まだ樹脂カバーを分解する前です。

 

プローブの樹脂カバーを分解すると、金属フレームが確認できました。

赤い楕円箇所が10:1,1:1の倍率を切り替え箇所です。

グランドリードは金属フレームに引っ掛かっているだけのことが良く分かります。

 

プローブの中の基板

さらにプローブの金属フレームを外すと、下記のように基板が確認できます。

スイッチ箇所が倍率切り替え箇所です。

 

 

プローブの倍率の仕組み

プローブの倍率の切り替えはスイッチで行います。

今回分解したプローブの場合、10:1がそのまま表面のパターンを通ります。

1:1の場合は裏面のパターンを通っています。

 

10:1プローブ

プローブの基板を見ると、10:1の「入力抵抗」と「入力コンデンサ」が確認できます。

データシート通りの構成でした。

  • プローブの入力抵抗(Input Resistance)…9MΩ
  • プローブの入力コンデンサ(Input Capacitance)…14~18pF

※ただメーカ側の調整用?なのか、10:1の回路の先に240Ωも入っていました。

 

等価回路だと下記黄色枠の10:1箇所のイメージです。

 

1:1プローブ

1:1の倍率を使う場合は基板の裏側のパターンを通り、プローブ針に接続されます。

 

等価回路でイメージすると10:1箇所をスキップする形です。

 

プローブの補正の仕組み

プローブの補正箇所の分解前後の写真が下記になります。

調整トリマの穴先に可変コンデンサが搭載されていることが分かります。

 

可変コンデンサ箇所のアップ写真が下記となります。

コンデンサ容量のシルクはありませんでしたが、データシート通りならば下記になります。

  • 補正領域(Compensation Range)…15~45pF

 

高周波の測定では、コンデンサの容量により10:1プローブとして機能します。

調整トリマで可変コンデンサの容量を調整することで、正確に測定できます。

 

オシロスコープの測定前に調整トリマで方形波を確認する理由になります。

可変コンデンサを調整しないと下記波形のように、綺麗な方形波が測定できません。

 

まとめ

今回はオシロスコープのプローブの仕組みに関して紹介させていただきました。

記事をまとめますと下記になります。

プローブの10:1の倍率は入力抵抗と入力コンデンサで構成されています。

プローブの1:1の倍率はスイッチを経由して針に直接接続されています

プローブ補正の調整トリマは可変コンデンサが搭載されています。

 

オシロスコープのプローブは市販でも販売されており、簡単に入手可能です。

勉強にもなりますので、皆さまも調査したい場合は試してみて下さい。

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