Seeed Studioの超小型マイコン&円形タッチ液晶「XIAO Round Display(1.28インチ 240×240 円形タッチLCD)」。
今回は、机の上でコロコロ転がってしまう円形ケースから、安定して自立しキーホルダーとしても携行できる「正方形(角型)ポータブルケース」への大改造プロジェクトをお届けします!
FreeCADを活用したスナップフィット機構、Type-Cポート、サイドボタン操作穴、2倍拡大キーホルダー穴の精密モデリング。
そして、3Dプリント後に直面した「内壁の凸段差にディスプレイが引っかかって奥まで入らないトラブル」をリューター切削で克服したリアルな現物合わせノウハウと、正式にストレートキャビティ構造へ改修した最新CAD・2D図面データまでを詳しく解説します。
【FreeCAD×3Dプリント】Seeed XIAO Round Displayを角型ケース化!凸引っかかりトラブルを削り加工で克服&ストレートキャビティ新設計
Seeed Studioの超小型マイコン&円形タッチ液晶「XIAO Round Display(1.28インチ 240×240 円形タッチLCD)」。
今回は、机の上でコロコロ転がってしまう円形ケースから、安定して自立しキーホルダーとしても携行できる「正方形(角型)ポータブルケース」への大改造プロジェクトをお届けします!

FreeCADを活用したスナップフィット機構、Type-Cポート、サイドボタン操作穴、2倍拡大キーホルダー穴の精密モデリング。
そして、3Dプリント後に直面した「内壁の凸段差にディスプレイが引っかかって奥まで入らないトラブル」をリューター切削で克服したリアルな現物合わせノウハウと、正式にストレートキャビティ構造へ改修した最新CAD・2D図面データまでを詳しく解説します。

プロジェクト・動画のリンク先
YouTubeでも3Dプリント後のNG発生の瞬間から、リューターによる削り加工、ジャストフィット組付け成功、そして通電動作確認までをノーカット動画と高画質写真で詳しく解説しています
本編解説動画
関連公式ドキュメント・製品ページ
Seeed Studio Round Display for XIAO 公式Wiki

FreeCAD 公式サイト

角型ポータブルケース設計の背景と要求仕様
Seeed Studioの「Round Display for XIAO」は、1.28インチの鮮やかな円形タッチスクリーン(240×240ピクセル)、RTC、充電回路、SDカードスロットを備えた大人気の円形ディスプレイモジュールです。
しかし、公式から提供されているケースデータは「円形シェル」形状のため、机の上に置くとコロコロと転がってしまい、角度をつけて自立させることができませんでした。
そこで、「机の上でどっしり安定して自立し、カバンやキーホルダーにも装着できるスマートな角型ケースを作ろう!」と思い立ち、オープンソースの3D CADであるFreeCAD 0.21を使って専用の正方形ケースをゼロからモデリングしました。

角型ケースに盛り込んだ主要機能とスペック
* コンパクト正方形フォルム: 外形48.0mm × 48.0mm(角丸R=3.0mm)、全高17.5mm(ボトム深さ15.5mm、フタ厚6.0mm)。
* ネジ不要のスナップフィット構造: ボトム側インローの4辺中央に凸ツメ(幅8.0mm、突起0.35mm)、フタ側内壁に凹溝(幅9.2mm、深さ0.50mm)を配置し、ワンタッチでパチンと確実にロック。
* Type-Cポート開口: 右側面に幅12.0mm × 高さ6.5mm(角丸R=1.5mm)の開口スロットを配置し、USB-Cケーブルのプラグ外装が干渉せず奥までしっかり挿せる逃げを確保。
* 物理ボタンアクセス穴: 左下コーナー(225°方向)に幅8.5mm × 高さ5.2mmの長円穴を開口し、基板エッジにある小型タクトスイッチを指先やペン先で直接クリック可能。
* 放熱&配線スリット: ケース底面に幅2.5mmの長穴スリットを3本配置(ピッチ7.0mm)し、内部の発熱を逃がしつつ必要に応じてGPIO配線を引き出し可能。
* 大型キーホルダー通し穴(2倍サイズ): 左上コーナー(NW)の2面に各7.6mm × 9.0mmの大型穴を開口し、内部で斜めに貫通。太めのパラコードや金属製二重カンでも無理なく通せる頑丈なコーナー構造(芯肉厚 約3.5mm)。

技術難関:3Dプリント実機で「凸が引っかかる」トラブル発生!
FreeCADでの設計を終え、いざ3Dプリンターで出力したケースパーツ(ブラックPLA樹脂)に実機のXIAO Round Displayを組み付けようとした瞬間、予期せぬトラブルが発生しました。
ディスプレイが奥まで入らない!?内壁リブの干渉
基板をケースの開口部から差し込もうとしたところ、途中で「カチッ」と何かに当たって引っかかり、奥までまったく入らない事態に直面しました!
原因を詳しく調べたところ、初期設計のボトムケース内壁に設けていた「円形ガイド凸(内径φ41.5mmの棚段差)」が犯人でした。
元の円形ケースの断面形状を参考にして、深さ13.5mm〜14.5mmの位置に幅1.25mmの内側突出リブ(段差)を設けていたのですが、以下の要因が重なって干渉してしまったのです。
* 3Dプリント特有の積層誤差と微小な寸法太り: 内径φ41.5mmの凸部分がプリント時の樹脂収縮や膨らみにより、わずかに狭くなっていた。
* 基板外周のわずかなバリや部品の実装公差: 円形基板の外周エッジやハンダ付け部が、余裕のない段差リブに物理的に衝突。
無理やり力任せに押し込めば、繊細なガラス液晶パネルや極小チップ部品が割れて大惨事になりかねない危険な状態でした。
DIYの極意:リューターとヤスリによる「凸削り加工」で大逆転!
ここで諦めて再プリントするのではなく、まずは現物で確実にフィッティングさせるため、現場での切削リカバリー(現物合わせ)を決行しました。
干渉する凸部分を徹底的に削り落とす!
超硬ビットを取り付けたホビールーターと金属精密ヤスリを手に取り、ボトムケース内壁を周回している凸段差(リブ)を少しずつ丁寧に削り落としていきました。
削り粉をエアダスターで飛ばしながら、XIAO Round Displayの基板を何度も当ててクリアランスを確認。
内壁全周の余分な段差を綺麗に削り落とし、一様な円筒内壁に整えたところで、再度ディスプレイを挿入してみました。
すると――抵抗感なく「スッ…」と吸い込まれるように最深部まで到達!
底面のM2ネジ固定穴と基板の穴位置も完全に一致し、上からトップカバーを被せるとスナップフィットが「パチン!」と心地よい音を立てて完璧にジャストフィット合体しました!
実際に使ってみた!幾何学的な美観と抜群の操作性
削り加工によって見事に組み上がった正方形XIAO端末。
実際に通電して液晶画面を表示させ、各種インターフェースの使い心地を検証しました。
正方形ケースと円形ディスプレイの絶妙な幾何学美
マットブラックの正方形エンクロージャーの中央に、鮮やかな1.28インチの円形グラフィックが浮かび上がる姿は、まさにガジェット好きの心をくすぐる幾何学的な機能美です!
机の上に縦置き・横置きしても転がることなくピタッと安定自立。時計アプリやステータスモニターを表示させてデスクサイドに置くのに最高の相棒となりました。
各種ポート・ボタン・ストラップの実用性チェック
* Type-Cポート: 開口スロットの幅(12mm)と高さ(6.5mm)に十分なゆとりがあり、太めのUSBケーブルでもスムーズに奥まで刺さって給電・通信が可能。
* サイドボタン: 左下コーナーの操作窓から、爪先やボールペンの先でクリック感のある確実なスイッチ操作ができることを確認。
* キーホルダー穴: 斜めに抜いた大型貫通穴のおかげで、太めのストラップ紐やカラビナフックがスムーズに通り、バッグやベルトループにぶら下げて手軽に屋外へ持ち出せます。
CADモデルへの正式フィードバック:ストレートキャビティ新設計
現物削り合わせによって「内壁の凸段差を無くせば完璧に収まる」という確固たる実証データが得られました。
そこで直ちにFreeCADのマスタープロジェクトへ戻り、内部凸部分を完全に削除した正式モデルへの設計改修を実施しました!
内径φ44.0mmの一様ストレート円筒構造へ刷新
* 変更前: 深さ13.5mm〜14.5mmに内径φ41.5mmの凸段差(幅1.25mm)が存在し、基板が引っかかっていた。
* 変更後(新設計): 底面(肉厚2.0mm)からインロー上端まで、途中の段差をすべて撤去し、一様に直径φ44.0mmのストレートな円筒キャビティ(有効深さ15.5mm)へと最適化。
これにより、次回以降の3Dプリントでは一切の追加削り加工を行うことなく、出力したそのままの状態でXIAO Round Displayがスムーズにスポッと収まる完全な製造用データが完成しました。
更新完了したCAD・製造データパッケージ一覧
最新の設計成果物は、以下の通り完全なファイルセットとして整備・出力されています。
| ファイル名 | 形式 | 内容・更新ポイント |
|---|---|---|
| Square-Display-shell-Bottom.stl | STL | ボトムケース 3Dプリント用メッシュ(凸段差なし・ストレートキャビティ) |
| Square-Display-shell-Bottom.step | STEP | ボトムケース CAD中間データ(φ44.0mm一様内径) |
| Square-Display-shell-Top.stl | STL | トップベゼル 3Dプリント用メッシュ(φ41.5mm表示窓・スナップフィット凹溝) |
| Square-Display-shell-Top.step | STEP | トップベゼル CAD中間データ |
| Square-Display-2D-Drawing.pdf | 凸段差削除版 検図・製造用2D詳細寸法図面(A4横・ベクトル図面) | |
| Square-Display-2D-Drawing.png | PNG | 高解像度 2D詳細寸法図面(300 DPI) |
| Square-Display-Case.FCStd | FreeCAD | マスターCADデータ(すべてのスケッチ拘束と履歴を完全保持) |
検図用2D寸法図面には、外形48×48mm、ストレート内径φ44.0mm、深さ15.5mm、各種開口部座標(Type-C、ボタン、斜めキーホルダー穴)が精緻に記載されており、自作3Dプリントはもちろん受託造形サービスへの入稿にも万全の体制となっています。
まとめ
Seeed XIAO Round Displayの角型ケース化プロジェクトは、予期せぬ引っかかりトラブルを乗り越え、実用性と美観を両立させた素晴らしいポータブルガジェットケースとして結実しました。
* 転がらない角型ケース: 48×48mmの正方形自立フォルムにより、デスク上での安定設置とキーホルダー携行を両立。
* ネジ不要のスナップフィット: 工具を使わずにワンタッチでパチンと開閉できる快適なメンテナンス性。
* トラブル解決の教訓: 内壁の凸リブが積層誤差で干渉するトラブルを、リューター削り加工による「現物合わせ」で柔軟に克服。
* ストレートキャビティ新設計: 凸段差を完全撤去した内径φ44.0mmのストレート円筒構造へCADを正式改修し、ポン付け可能な製造データを完備。
実際の3Dプリントパーツの嵌合具合や、リューター切削の様子、そして美しく組み上がった実機のタッチ操作感は、冒頭のYouTube動画でノーカットで公開していますので、ぜひチェックしてみてください!


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