どうもミソジです。

今回は前回に紹介したトランジスタ電流増幅率の記事についての続きです。
今回は「トランジスタの直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする」を紹介したいと思います

前回テスターで電流増幅率を測定する回路図を調べたので、それを基にLTSPICEでシミュレーションをしました

目次
1.LTSPICEに2SC1815GR(F)を登録する
2.2SC1815GR(F)の基本的な特性の確認をする
3.テスター条件での基本的な特性の確認をする
4.テスター条件での直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする
5.本当にテスター条件での直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする


1. LTSPICEに2SC1815GR(F)を登録する
今回トランジスタをシミュレーションに使ったソフトはLTSPICEです。
(LTSPICEのインストール方法などは先人達による記事が多くあるので省略させてもらいます。必要な方はググって確認をお願いします)

テスターでも測定した下記トランジスタ2SC1815GR(F)のモデルを登録していきます。
stora9.png

アマゾンでの製品・詳細ページは上記リンク先となります


モデルの登録方法も先駆者達がいくらでもいるので概要だけになります。
(2SC1815GRモデル含めて、登録方法の詳細が必要な方はググってください)

①NPNのトランジスタを選択してもデフォルトでは2SC1815GRはありません
②そのためモデルを「standard.bjt」のファイルに追記します
 (フォルダ場所はデフォルトでは「C:\Users\ユーザ名\Documents\LTspiceXVII\lib\cmp」です)

tora.PNG

③モデルをワードパッド等で開いて2SC1815GRのモデルを追記しました
stora12.png

筆者の登録したモデルは下記になります。(ググって拾ってきました)
*************************************
.model 2SC1815-GR NPN(Is=2.04E-15 Xti=3 Eg=1.11 Vaf=6 Bf=300 Ne=1.5 Ise=0
+ Vceo=50 Icrating=150m mfg=TOSHIBA
+ Ikf=20m Xtb=1.5 Br=3.377 Nc=2 Isc=0 Ikr=0 Rc=1 Cjc=1p Mjc=.3333
+ Vjc=.75 Fc=.5 Cje=25p Mje=.3333 Vje=.75 Tr=450n Tf=20n Itf=0 Vtf=0 Xtf=0)
*************************************

④2SC1815GRがNPNのトランジスタで使えるようになります
stora13.png

次章からLTSPICEで作成した2SC1815の基本的な特性を確認していきます



2. 2SC1815GR(F)の基本的な特性の確認をする
まずはせっかくモデル作成したので基本的な特性を確認していきたいと思います。
特性を確認するために下記回路図でシミュレーションを行いました
V1の電圧を0~10Vにスイープさせて特性を確認します
stora14


①VBE-IB特性
 基本的な特性図と言えばこれですね。グラフにして説明していきます
stora14.png


横軸を0~0.9V,縦軸を0~990uAにしたグラフが下記です。
VBEが0.7Vを付近をメドにIC電流が流せるようになるのが分かると思います
stora17.png

もう少しICの上り方を見たいため
横軸を0~0.9V,縦軸を-30~70uA程度にしたグラフが下記です
上グラフの矢印先を拡大したものとなっています

この回路図モデルだとIBに10uA流す場合VBEが0.7V程度となっていることが分かります
stora18.png

こんな感じで簡単にLTSPICEでトランジスタの特性が分かるようになります
次の章では今回のテスター条件での電流増幅率について確認していきます


3. テスター条件での基本的な特性の確認をする
2章とはちがって3章ではテスターの条件にした場合の特性を説明していきます。

まずは2章でも測定したように回路図モデルを作ります
2章からの変更点としては2点です。
①B(ベース)手前の抵抗 ・・・10k⇒220k
②電圧 ・・・0~10V⇒0~3V

stora20.png


2章と同様にまずは①VBE-IB特性を見ていきます
2章の横軸とは同じにしてグラフを描いていきます
横軸を0~0.9V,縦軸を-5~10uA程度にしたグラフが下記です。
stora21.png

前回と比べて縦軸の電流が途中で止まっていますが基本的に同じグラフとなっています
このVBE-IB特性はトランジスタ自身としての特性が出て、ほぼ同じの結果となっています

電圧が小さく、抵抗が大きいものとなっているので流す電流が異なっているだけです
計算式で言いますと下記のようになっています。電流値が約100分の1です。
2章・・・IB(MAX)=10V-0.7V/10kΩ=930uA
3章・・・IB(MAX)=3V-0.7V/220kΩ≒10uA


では次章では電流増幅率がどうなっているか見ていきましょう

「スポンサーリンク」


4. テスター条件での直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする
まずはICの電流がしっかり増幅されているか確認してみます
測定する箇所で縦軸にIC(コレクタ電流)を追加します
stora14.png

グラフにすると緑色の箇所が追加されました。
VBE≒0.7Vの際にIB≒10uAに対してIC≒3mAとなっており、トランジスタによって増幅されていることが分かります
stora22.png

それでは第2縦軸に電流増幅度β=IC/IBを追加します
赤線が追加される形になります。実際グラフを見ると・・・

stora24.png

電流増幅率が一定ではないグラフとなっています
理由としては今回の回路モデルでは電圧を0V~3Vにスイープしているためですね。
①VBE-IB特性のままの回路図モデルにしていました

これはこれでいいのですが、今回はテスターと同条件にするために電圧を3Vの定電圧にします。



5. 本当にテスター条件での直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする
本当にテスターと同様に電圧を3Vの定電圧にしたモデルが下記です
stora27.png

この時のグラフを確認すると・・・はい!綺麗な電流増幅率が出ていますね。
IBもICも流れる電流は一定のため、電流増幅率も一定となっています
stora28.png

数値を確認すると
今回の2SC1815GRの電流増幅率は360となりました

stora29.png


テスタ-の測定が347でしたので。大体近い値になっています

sP_20170922_151414_HDR



何とかシミュレーションと現実を合わせれこめました。結果が合ってよかったです
久々にLTSPICEを使いましたがやはり便利です。

今回はここまでにしたいと思います。
どうもありがとうございました

アマゾンでの製品・詳細ページは上記リンク先となります
ノーブランド品 ポケットサイズ デジタルマルチメーター M832
ノーブランド品
アマゾンでの製品・詳細ページは上記リンク先となります


サンコスモ 小型デジタルテスター/マルチメーター DT-830B
サンコスモ
アマゾンでの製品・詳細ページは上記リンク先となります
※筆者使用のM832と同形状モデル。(詳細は不明)