エンジニアの電気屋さん

現役エンジニアが電気のトピックについて現物交えてご紹介します。

カテゴリ: LTSPICE

どうもミソジです。
今回はLTSPICEでI2C,UART,SPIシミュレーションを行う過程の記事LTSPICEでAC特性をシミュレーションしてみた_モデル検証編」を紹介します

前回はIBISモデルからSPICEモデルに変換したI2CのSDAピンのDC特性を検証しましたので、今回はAC特性をシミュレーションしてみたいと思います。

前々回のモデルを作ったLTSPICEでI2C,UART,SPI等のシミュレーションをしてみた_モデル準備編」記事のリンクはこちらです
ibis10.PNG


そして前回のDC特性を検証したIBISモデルから作ったSPICEモデルのDC特性を検証してみた_モデル検証編」記事のリンクはこちらです
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目次
1.AM3352のAC特性をデータシートを確認する
2.「AC特性の出力特性_Rise time,Fall time」from データシート
3.「AC特性の出力特性_Rise time,Fall time」from IBIS
4.LTSPICEでシミュレーションしてみる_概要編
5.LTSPICEでシミュレーションしてみる_詳細編
6.まとめ・感想


1.AM3352のAC特性をデータシートを確認する

今回はAC特性をAM3352のデータシートから確認していきます

データシートはこちらからダウンロードできます。ラズベリーパイのように小さいボードの「BeagleBone」で使われているCPUです。



上記をIBISモデルが無かったラズベリーパイの代わりに見立てて使っています
Raspberry Pi 3 Model B V1.2 (日本製) 国内正規代理店品
Raspberry Pi
2016-02-29




今回は「AC特性の出力特性_Rise time,Fall time」の2つを確認してデータシート通りになっているかを確認したいと思います。

2.「AC特性の出力特性_Rise time,Fall time」from データシート
(20180722時点の)データシートでは「7.8.1章I2C Electrical Data and Timing」に記載されています。

引用すると「I2C Electrical Data and Timing」は下記になります。今回は100kbps想定でシミュレーションを行いますのでSTANDARD MODEの値です

 
MIN
NOM
MAX
UNIT
tr(SDA)
Rise time, SDA 

 
1000
ns
        tf(SDA)
Fall time, SDA  
 
 
300
ns


今回もですが正直上記だけですと、MAX値でしか記載がなくシミュレーション・検証する上ではもったいないのでIBISモデルでも「AC特性の出力特性_Rise time,Fall time」を確認してみます


3.
「AC特性の出力特性_Rise time,Fall time」from IBIS
AM3352のIBISモデルは自由に入手できます。TIのリンク先はこちらからです。
前回同様に今回のIBISモデルとしては標準的なものを使用します。

内部PU,PDなど特についていない標準的な3.3V_IFを使用します
「3.3V-I/O-PI-NORMAL, IND, 10%]」を使って検証していきます
ibis19.PNG


そしてIBISモデルを上から見ていきますと[Ramp][Rising Waveform]があります

「Rampが全体的なRise,Fallの傾き」を定義していて、「Rising Waveformが特定の条件化での立ち上がり時の波形データ」のようです。下記は50ΩのPU(3.3Vで吊っている)条件を表していると思います。

ibis31.PNG

その下を追っていくと[Falling Waveform]があります
「Falling Waveformも特定の条件化での立ち下がり時の波形データ」を示しているようです。

Rising Waveformと同様に50ΩのPU(3.3Vで吊っている)条件を持ってきています
ibis33.PNG


今回は時間に対しての電圧値(typ)(min)(max)が記載されています。PulldownとPullUPの必要な情報をEXCELに切り取ると便利です
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そしてEXCELでRising timeの必要な箇所をまとめますと、下記のようにグラフにできますので立ち上がり・立ち下がりの時間と電圧の関係性がよく分かります
ibis35.PNG

まずRising timeの時間-電圧のグラフは下記になります。
緑がV(max)、青がV(typ)、赤がV(min)を示しています

920a7b14.png

前章で記載したデータシートではRise_time(MAX)=1000nsということでした。

あくまで1例ですが、IBISデータを見ると1ns程度で立ち上がりますのでデータシートはあらゆる条件を考慮したかなり大きな幅を持った値になっている様子です

220c1872.png


次に
Falling timeの時間-電圧のグラフは下記になります。
緑がV(max)、青がV(typ)、赤がV(min)を示しています
28d91135.png

Risingと同様にデータシートではFall_time(MAX)=300nsということでしたがIBISデータを見ると1ns程度で立ち下がります
ae8509a0.png


この特性がIBIS⇒SPICE化したモデルでも同様な特性が出ているのかを次の章で確認していきます

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4.LTSPICEでシミュレーションしてみる_概要編
データシート,IBISモデルともに立ち上がり・立下りを見てきましたので
IBISのデータと対応するように出力先を50ΩのPUに合わせてシミュレーションしていきたいと思います。

今回もIBISモデルの特性は「Typ」を選択しています
ibis8.PNG

モデルは前回作成したI2CのSDAピンをモデルにしたものです
ibis10.PNG

今回のモデルのイメージとしては下記IBISモデルとしてみると分かりすいと思います

①「IN」・・・ SDA信号の波形を決めるピン
 ※今回は100kbps_周期10uでHigh,Lowを繰り返すパターンとします)
②「Vcc」・・・ ICの電源ピン
③「Vss」・・・ ICのGNDピン
④「Out」・・・ I2C_SDAの出力ピン

ibis11.PNG

実際のシミュレーションするモデルでは下記形で行います。
ibis36.PNG


前回作成した出力側のモデルを利用して出力先に抵抗を付けて特性を検証します。

今回の抵抗は50Ωです。本来50Ωなどつける機会は無いのですが、IBISデータの条件と合わせるため50ΩでPUします。(通常数mA流せば良いところを50Ωだと3.3V/50Ω=66mAも流れてしまいます)
ibis37.PNG

シミュレーションの結果は下記形となりました。電圧が0Vからでなく1.6V付近からの波形となっています。(多くの電流を流しているので内部のFETのオン抵抗で電圧差が出ている様子です)

しかしこれは前章で記載したIBISのデータ通りのため問題ありません。
ibis38.PNG

IBISのEXCELデータのtypを抜粋しますと1.6V付近からスタートしています。
前記事でも確認していましたがDC特性でもIBISからSPICEへ問題なく変換できています。
6e50ffdd.png

それでは今回の目的のRise time・Fall timeを見ていきましょう。立ち上がり・立下りの一部分をアップしていきます。
ibis38.PNG

まずはRise timeです縦軸は1.6V~3.4Vを示しており、横軸は1目盛1nsで10ns区間を表示しております。
ibis42.PNG

そして次にFall time です。横軸が上グラフと違い1目盛2nsになっていることにご注意ください
ibis43.PNG

上記の結果を分かりやすく図示すると下記のように「0.1nsのRise/Fall入力波形」がSPICEモデルを通すことで「数nsのRise/Fall出力波形」になまっている形となります。無事ピンの特性を引き継いでシミュレーションができている様子です

ibis36.PNG


次の章からは実際にIBISとのデータ比較・入力出力波形の差分を詳細に確認してみます

5.LTSPICEでシミュレーションしてみる_詳細編

①IBISデータとの比較
ざっくりとですが、立ち上がり時間をLTSPICEでのシミュレーションでは完全に立ち上がるまでに3.5ns程度かかっています。
ibis42.PNG

そしてIBISのデータでは約1nsとなり、nsレベルでは差分が出てきています。

作成したSPICEデータはIBISとは完全に一致ではありませんでしたが、個人的なシミュレーション・デバッグレベルでは気にしない程度かとは考えています

8abe693a.png


②入出力の差分
先ほど示した下記の差分をLTSPICE上で確認してみます
ibis36.PNG

シミュレーションを行うと下記結果となり橙色の入力波形が0~3.3V緑色の出力波形が約1.6V~3.3Vとなっているので、少し変な波形になりますが立下り箇所をアップします
ibis45.PNG

アップした結果が下記となります。入出力の立下りの差分が一目で分かります。前章でも記載しましたが作成したピンの出力特性が影響しており、十分にシミュレーションできているようです
ibis44.PNG

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6.まとめ・感想
今まで作ったSPICEモデルのAC特性は個人的なシミュレーション・デバッグレベルでは引き継げていたのではと思います。次回からは実際にある配線やIFを想定したシミュレーションを確認したいと考えています。

今日はここまでにしたいと思います
どうもありがとうございました


ラズベリーパイで簡単にI2C通信ができます。

EEPROMの詳細は下記となります。

どうもミソジです。
今回はLTSPICEでI2C,UART,SPIシミュレーションを行う過程の記事IBISモデルから作ったSPICEモデルのDC特性を検証してみた_モデル検証編」を紹介します

前回はI2CのSDAピンをIBISモデルからSPICEモデルに変換しましたので、そのモデルがICのデータシート(スペック)通りかを確認したいと思います。

前回のモデルを作ったLTSPICEでI2C,UART,SPI等のシミュレーションをしてみた_モデル準備編」記事のリンクはこちらです
ibis10.PNG

目次
1.AM3352のデータシートを確認する
2.「DC特性の出力特性_VOH,VOL」from データシート
3.「DC特性の出力特性_VOH,VOL」from IBIS
4.LTSPICEでシミュレーションしてみる
5.まとめ・感想


1.AM3352のデータシートを確認する

送信側のモデルを検証していきます。(前回作った受信側はパッケージ成分だけのため検証の必要がないため)

データシートはこちらからダウンロードできます。ラズベリーパイのように小さいボードの「BeagleBone」で使われているCPUです。



上記をIBISモデルが無かったラズベリーパイの代わりに見立てて使っています
Raspberry Pi 3 Model B V1.2 (日本製) 国内正規代理店品
Raspberry Pi
2016-02-29




今回は「DC特性の出力特性_VOH,VOL」の2つを確認してデータシート通りになっているかを確認したいと思います。

2.「DC特性の出力特性_VOH,VOL」from データシート
(20180624時点の)データシートでは「5.7章DC Electrical Characteristics」に記載されています。
今回I2Cの電圧としては3.3Vとして使うためデータシートに書かれている「VDDSHV6=3.3V」とします。

引用すると「DC特性の出力特性_VOH,VOL」は下記になります。標準的なDC特性だと思います

 
MIN
NOM
MAX
UNIT
VOH (IOH=4mA) 
VDDSHV6-0.45
=3.3-0.45
=2.85
 
 
V
VOL (IOL=4mA) 
 
 

0.45
V


正直上記だけですと、「とある電流値(IOH,IOL=4mA)引いている時のVOH,VOL」でしかなくシミュレーションする上ではもったいないのでIBISモデルでも「DC特性の出力特性_VOH,VOL」を確認してみます


3.「DC特性の出力特性_VOH,VOL」from IBIS

AM3352のIBISモデルは自由に入手できます。TIのリンク先はこちらからです。
今回のIBISモデルとしては標準的なものを使用します。

内部PU,PDなど特についていない標準的な3.3V_IFを使用します
「3.3V-I/O-PI-NORMAL, IND, 10%]」を使って検証していきます
ibis19.PNG


詳細は省き概略でいいますと「L出力時の特性がPulldown」「H出力時の特性がPullUP」に記載されていますのでこれらを使っていきます

ibis20.PNG

電圧に対しての電流値(typ)(min)(max)が記載されています。PulldownとPullUPの必要な情報をEXCELに切り取ると便利です
ibis21.PNG

そしてEXCELでVOLの必要な箇所をまとめますと、下記のように表・グラフにできますので
「IOL電流値」と「VOL電圧値」の関係性がよく分かります
ibis22.PNG

まずPulldownのVOL-IOLのグラフは下記になります。
緑がI(max)、青がI(typ)、赤がI(min)を示しています
19d9c973.png

実際データシートではVOL(IOL=4mA)の際にMAX0.45Vということでした。
Pulldown特性のみを下記グラフから見ると赤線のI(min)がVOL(MAX)=約0.28Vと言ったとこでしたので、そんなもんかと言った感じです。

青線のTypの場合VOL=約0.17Vとなっています
3592c56e.png

あとPullUPのVOH-IOHのグラフは下記となります。
IBISのデータをそのまま持ってくると「電圧値がH特性にオフセットされていない」、「極性が逆」となっており少しイメージしにくいグラフとなっています。

61db553a.png
※また変に右端にでている緑線のI(max)の箇所は実用上使わない箇所だと思いますので無視しています

そのため必要に応じて、見たい箇所にオフセットしてあげます。
オフセット値に関してはIBISモデルで記載していた[Volatage_Range]の値を使って
青線のI(typ)は3.3V、赤線のI(min)は2.97V、緑線のI(max)は3.63Vを足してします
2c70f039.png


修正後のグラフが下記です。大分見やすくなったかと思います。
IOH(typ)が4mA流すとき約3.15Vとなっていますので、ここもシミュレーションして結果を見ていきたいと思います
65e8758b.png



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4.LTSPICEでシミュレーションしてみる
データシート,IBISモデルともにIOH,IOL=4mA周辺を見てきましたので
対応するように出力先のPU,PDを合わせてシミュレーションしていきたいと思います。

今回は特性は「Typ」を選択しています
ibis8.PNG

モデルは前回作成したI2CのSDAピンをモデルにしたものです
ibis10.PNG

今回のモデルのイメージとしては下記IBISモデルとしてみると分かりすいと思います

①「IN」・・・ SDA信号の波形を決めるピン
 ※今回は100kbps_周期10uでHigh,Lowを繰り返すパターンとします)
②「Vcc」・・・ ICの電源ピン
③「Vss」・・・ ICのGNDピン
④「Out」・・・ I2C_SDAの出力ピン

ibis11.PNG

実際のシミュレーションするモデルでは下記形で行います。
ibis23.PNG

(1)VOH-IOH特性
前回作成した出力側のモデルを利用して出力先に抵抗を付けて特性を検証します。

今回の抵抗は1kΩです。少し電流が多めに流れますが3.3V/1kΩ=3.3mAとなり、前章までに検討していた4mAに近いため1kΩを選択しました

ibis24.PNG  

シミュレーションの結果は下記形となりました。
特に問題なく100kbpsのI2C想定の波形が出力されています。
3.3V出力時(VOH出力時)をアップしてみたいと思います
ibis25.PNG

シミュレーションでのVOH=3.17V(IOH=3.3mA)となりました。
前章でIBISモデルで確認したのはVOH=約3.15V(IOH=4mA)でしたので、かなり近い値ではないかと思います。
無事IBISモデルのDC特性をSPCIEモデルに引き継げているようです
ibis26.PNG


(2)VOL-IOL特性
同様にVIL特性を見ていきます。下記でシミュレーションを行います
ibis27.PNG

今度は下記のようにVILを確認できるように1kΩの抵抗を接続します
ibis28.PNG

シミュレーションの結果は下記形となりました。
同様に0V出力時(VOL出力時)をアップしてみたいと思います
ibis29.PNG

シミュレーションでのVOL=0.129V(IOL=3.3mA)となりました。
前章でIBISモデルで確認したのはVOL=約0.17V(IOH=4mA)でしたので、こちらも近い値ではないかと思います。

ibis30.PNG


5.まとめ・感想
今回の検証にて前回作ったSPICEモデルが作成元のIBISモデルのDC特性を引き継げていたのではと思います。次回はAC特性の妥当性を確認したいと考えています。

<<20180812追記>>
作成したSPICEモデルのAC特性を検証した記事をアップしました。

LTSPICEでAC特性をシミュレーションしてみた_モデル検証編」
リンク先はこちらからです
ibis36.PNG

今日はここまでにしたいと思います
どうもありがとうございました


ラズベリーパイで簡単にI2C通信ができます。

EEPROMの詳細は下記となります。

どうもミソジです。
今回はLTSPICEでI2C,UART,SPIシミュレーションを行う過程の記事LTSPICEでI2C,UART,SPI等のシミュレーションをしてみた_モデル準備編」を紹介します

前回まで実際にラズベリーパイとI2C複数デバイスをつなげてアナライザを使って波形を見ていましたが、今回はLTSPICEでI2C等のシミュレーションを行う事前準備をしたいと思います。

前回記事のリンクはこちらです
sP_20180401_135924.jpg


目次
1.LTSPICEのI2Cのモデルを用意するには
2.IBISモデル⇒SPICEモデルの変換の仕方
3.変換するIBISモデルを拾ってくる
4.SPICEモデル頑張って作ってみた
5.SPICEモデルをLTSPICEで使えるように整える
6.まとめ・感想


1.LTSPICEのモデルを用意するには

はい、いきなり最難関の項目ですね。
LTSPICEでI2C,UART,SPIなど評価する際に一番難しいことと言えば「モデルを用意する」ことに尽きると思います

LTSPICEのデフォルトではCPUやI2C,UART,SPIのEEPROM,センサ等は有りませんので自らモデルを用意するしかありません。

またLTSPCIEに直接使えるCPU,I2Cデバイスの「SPICEモデル」はネットを探してもほとんど無いのが現状だと思います
i2c100.PNG


しかしデバイスメーカはLTSPICEには直接は使えないですが「IBISモデル」を提供しているケースはよくあります。下記例はI2CのEEPROMの例です
i2c112.PNG


そのため今回は「IBISモデル」⇒「SPICEモデル」に変換してLTSPICEでシミュレーションを行って行きたいと思います

2.IBISモデル⇒SPICEモデルの変換の仕方
この章に関しては詳細に書き出すとまとめきれないので今回は概要を記載しときます。(また詳細版は違う記事を起こしたいと思います)

※筆者もシミュレーションの専門家ではないので、あくまで個人的な遊びのシミュレーションということでお願いします

筆者が調べた中では2つほど変換ツールを見つけれました。

結論から言いますと今回は②の「IBIS-PSpice Converter Ver 3.0」を利用してIBISモデルからSPICEモデルを作ってみました

①IBIS2SPICE
IBISの本家HPであるIBIS Open Forumにも記載がありました。ここのサイトはIBISの規格書などがあり勉強になると思います。下記のようにIBIS自体の構成など書いてあります
ibis2.PNG

この中の「FREETools」紹介されているツールが下記のIBIS2SPCICEになります。
名前と電話番号アドレスなど適当に登録すれば使えてダウンロードできました

但し無料で公開されているのはIBIS_Ver1.1,2.1と大分古いようですソフトとしては1998年に作られたものが公開されているようです。(現在201805時点の最新IBISのVerは6.1ということです)
ibis1.PNG

多分これでも単純なI/Oは変換できそうですが、他にないか他にも探してみました

IBIS-PSpice Converter Ver 3.0
ネットでも結構探していましたが「①以外の変換ツールが見つからない…」と思っていましたが以前買った2017年10月のトラ技の付録CDに載っていました!その時の記事はこちらから
sP_20171002_043323.jpg

付録のDVDにプリント基板開発のツールが沢山入っていました。


いざ開いてみるといきなりポップアップが出てきて
ibis4.PNG

対応している形式としては「I/O」「3-state」のみということですがIBIS Ver3.2まで対応しているということです。

現状のデバイスではよく見かけるのはIBIS Ver4.2ですが、まぁ「I/O」と「3-state」は昔からあるIOタイプだからなんとかなるでしょう(と適当な筆者な考えです。まぁプライベートのシミュレーションということで見逃してください)

ibis5.PNG

作成されたのは2005年ですが北海道大学の吉川先生という方が作ってくれたようです。

日本人が作成してくれて少なからず日本の注記も多少有り、①のツールより取っ掛かりやすかったです。

大変便利なツールを残していただき、吉川先生にはこの場を借りてお礼を申し上げます。


3.変換するIBISモデルを拾ってくる

今回はI2Cのマスター側となるCPU、スレーブ側のデバイスのIBISモデルを例にしてみました。どこからか拾ってくる必要がありましたのでネット上で探していきました。

(1)CPUのIBISモデル
最初はラズベリーパイのCPU(Broadcom BCM2837等)のIBISモデルを使おうとしていましたがが見つからず…。
sP_20180512_095551.jpg

そのためI2CのIFを持っているCPUを適当に探します。IntelとかTIなどが登録無しにIBISモデルを簡単にダウンロードできるので、今回はTIの「AM3352」というものにしました。TIのリンク先はこちらからです。

ラズベリーパイのように小さいボードの「BeagleBone」で使われているCPUです。



上記をラズベリーパイの代わりに見立てて使いたいと思います。
Raspberry Pi 3 Model B V1.2 (日本製) 国内正規代理店品
Raspberry Pi
2016-02-29




※本来は筆者が持っている安いマイコン(MSP430)の軽いデータ量のIBISモデルを持って来ようと思ったのですが、無かったです。
sP_20180512_092731.jpg
TI掲示板見るとメーカ曰く、「もっと高速通信をするデバイスじゃないとIBISモデル要らないでしょ」という感じでした。掲示板リンク先はこちらから


(2)I2Cのスレーブ側となるデバイスのIBISモデル

こちらに関しては以前から使っているEEPROMのIBISモデルがありました。リンク先はこちらから
ibis6.PNG
EEPROMの詳細は下記となります。
EasyWordMall AT24C256 I2C インターフェースEEPROMメモリモジュール
Apple Trees E-commerce co., LT






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4.SPICEモデル頑張って作ってみた
先ほどIBISモデルは手に入れたのでSPICEモデルを作っていきます
正直なところツール使ってのIBIS⇒SPICEモデル変換も一筋縄ではいきません

特にCPU等は変換途中でエラーが沢山出ますので対応して狙ったモデルを変換するようにIBISモデルを弄る必要があります。
ibis7.PNG
ここは地道な作業ですが、IBISファイルをテキストエディタを見つつ変換に必要・不要な箇所を修正していきましょう

(特にCPUは細かい設定が多々あるので大変です)。まずは変換したいピンのモデル名を見て原因を追っていきます
i2c37.PNG

今回はモデルに細かな設定があったのでツールが変換できなかった様子です
必要ない細かい設定名はツールが迷わないように一旦削除してしまいましょう
i2c38.PNG

他に細かい修正した箇所もあるのですが、何とか変換することができました。
(また細かい修正などは別記事にしたいと考えています)
ibis8.PNG

同様にデバイス側EEPROMのSPICEモデルも作っていきます。
EEPROM側は細かな設定が無いのでCPUよりはSPICEモデル作るのは楽だと思います


5.SPICEモデルをLTSPICEで使えるように整える
(1)送信側のモデル
ようやくSPICEモデルが入手できたのでこれをLTSPICEで使えるようにサブサーキット化します。
作ったSPICEモデルの中身を確認し、接続に対応させてサブサーキットのファイルを作成してあげます。
i2c25.PNG

今回はIBIS-PSpice Converter Ver 3.0のツールを使いましたので、そちらの出力形式に合わせてサブサーキットを作りますと「1_IN,2_OUT,3_VCC,4_VSS」ですので下記のような形作ってみました。
i2c20.PNG

これが実際どういうモデルのかというと、そもそもIBISモデルの構造から説明する必要があるのですが詳細は省略します。(「IBISモデル」でググれば簡単にでてきますので…)。
筆者が考えているイメージとしては下記です。
ibis11.PNG  

作ったサブサーキットに作ったSPICEモデルをリンクさせてあげます
ibis10.PNG

これで送信側(ドライバ・マスター)のモデルが作成完了しました。

(2)受信側のIBISモデル
受信側のIBISモデルに対しては、どこまで作りこむというのがあるのですが今回は簡単に「パッケージのRCL成分」と「パッドまたはダイの容量成分C_comp」だけ入れて終わりにしたいと思います。
イメージとしては下記イメージです
ibis12.PNG
もしかしたら本来はこちらのリンク先の「レシーバモデル」のように電源・GNDも作って上記橙色のクランプダイオード分まで入れこむ必要があるかもしれませんが手間なので省略します。

そのためIBISモデルを必要情報を引っ張ってきましょう

IBISモデルの一番最初に出てきます。今回はTyp値を使います
ibis13.PNG


まずは送信側同様に受信側のサブサーキットを作ります。今回は「1_Pin,2_Die,3_Vss」と作ってみました。
ibis14.PNG

ライブラリをテキストで作ってあげます。
ibis15.PNG

下記のように何時ものブロック図で書いてもらっても結構です
特にRCLだけですので、ここらへんは好きに作ってもらっていいと思います
ibis16.PNG

あとはサブサーキットに作ったSPICEモデルをリンクさせてあげます。これで完成です
ibis17.PNG



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6.まとめ・感想
これにてシミュレーションで使える送信側と受信側のモデルが用意できました。
今回はI2Cのモデルを用意しましたが、同様にUART、SPI等のIFのモデルが作成できます。

モデルの妥当性が怪しい箇所があると思いますが、個人的にIFのシミュレーションをして動作確認程度ならばこれで十分かと思います。

次回は作ったモデルが本当にICのスペック通り機能しているのか妥当性を確認しています。

<<20180721追記>>
作成したSPICEモデルのDC特性を検証した記事をアップしました。

IBISモデルから作ったSPICEモデルのDC特性を検証してみた_モデル検証編
リンク先はこちらからです
ibis23.PNG



今日はここまでにしたいと思います
どうもありがとうございました


ラズベリーパイで簡単にI2C通信ができます。

EEPROMの詳細は下記となります。

どうもミソジです。

今回は前回に紹介したトランジスタ電流増幅率の記事についての続きです。
今回は「トランジスタの直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする」を紹介したいと思います

前回テスターで電流増幅率を測定する回路図を調べたので、それを基にLTSPICEでシミュレーションをしました

目次
1.LTSPICEに2SC1815GR(F)を登録する
2.2SC1815GR(F)の基本的な特性の確認をする
3.テスター条件での基本的な特性の確認をする
4.テスター条件での直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする
5.本当にテスター条件での直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする


1. LTSPICEに2SC1815GR(F)を登録する
今回トランジスタをシミュレーションに使ったソフトはLTSPICEです。
(LTSPICEのインストール方法などは先人達による記事が多くあるので省略させてもらいます。必要な方はググって確認をお願いします)

テスターでも測定した下記トランジスタ2SC1815GR(F)のモデルを登録していきます。
stora9.png

アマゾンでの製品・詳細ページは上記リンク先となります


モデルの登録方法も先駆者達がいくらでもいるので概要だけになります。
(2SC1815GRモデル含めて、登録方法の詳細が必要な方はググってください)

①NPNのトランジスタを選択してもデフォルトでは2SC1815GRはありません
②そのためモデルを「standard.bjt」のファイルに追記します
 (フォルダ場所はデフォルトでは「C:\Users\ユーザ名\Documents\LTspiceXVII\lib\cmp」です)

tora.PNG

③モデルをワードパッド等で開いて2SC1815GRのモデルを追記しました
stora12.png

筆者の登録したモデルは下記になります。(ググって拾ってきました)
*************************************
.model 2SC1815-GR NPN(Is=2.04E-15 Xti=3 Eg=1.11 Vaf=6 Bf=300 Ne=1.5 Ise=0
+ Vceo=50 Icrating=150m mfg=TOSHIBA
+ Ikf=20m Xtb=1.5 Br=3.377 Nc=2 Isc=0 Ikr=0 Rc=1 Cjc=1p Mjc=.3333
+ Vjc=.75 Fc=.5 Cje=25p Mje=.3333 Vje=.75 Tr=450n Tf=20n Itf=0 Vtf=0 Xtf=0)
*************************************

④2SC1815GRがNPNのトランジスタで使えるようになります
stora13.png

次章からLTSPICEで作成した2SC1815の基本的な特性を確認していきます



2. 2SC1815GR(F)の基本的な特性の確認をする
まずはせっかくモデル作成したので基本的な特性を確認していきたいと思います。
特性を確認するために下記回路図でシミュレーションを行いました
V1の電圧を0~10Vにスイープさせて特性を確認します
stora14


①VBE-IB特性
 基本的な特性図と言えばこれですね。グラフにして説明していきます
stora14.png


横軸を0~0.9V,縦軸を0~990uAにしたグラフが下記です。
VBEが0.7Vを付近をメドにIC電流が流せるようになるのが分かると思います
stora17.png

もう少しICの上り方を見たいため
横軸を0~0.9V,縦軸を-30~70uA程度にしたグラフが下記です
上グラフの矢印先を拡大したものとなっています

この回路図モデルだとIBに10uA流す場合VBEが0.7V程度となっていることが分かります
stora18.png

こんな感じで簡単にLTSPICEでトランジスタの特性が分かるようになります
次の章では今回のテスター条件での電流増幅率について確認していきます


3. テスター条件での基本的な特性の確認をする
2章とはちがって3章ではテスターの条件にした場合の特性を説明していきます。

まずは2章でも測定したように回路図モデルを作ります
2章からの変更点としては2点です。
①B(ベース)手前の抵抗 ・・・10k⇒220k
②電圧 ・・・0~10V⇒0~3V

stora20.png


2章と同様にまずは①VBE-IB特性を見ていきます
2章の横軸とは同じにしてグラフを描いていきます
横軸を0~0.9V,縦軸を-5~10uA程度にしたグラフが下記です。
stora21.png

前回と比べて縦軸の電流が途中で止まっていますが基本的に同じグラフとなっています
このVBE-IB特性はトランジスタ自身としての特性が出て、ほぼ同じの結果となっています

電圧が小さく、抵抗が大きいものとなっているので流す電流が異なっているだけです
計算式で言いますと下記のようになっています。電流値が約100分の1です。
2章・・・IB(MAX)=10V-0.7V/10kΩ=930uA
3章・・・IB(MAX)=3V-0.7V/220kΩ≒10uA


では次章では電流増幅率がどうなっているか見ていきましょう

「スポンサーリンク」


4. テスター条件での直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする
まずはICの電流がしっかり増幅されているか確認してみます
測定する箇所で縦軸にIC(コレクタ電流)を追加します
stora14.png

グラフにすると緑色の箇所が追加されました。
VBE≒0.7Vの際にIB≒10uAに対してIC≒3mAとなっており、トランジスタによって増幅されていることが分かります
stora22.png

それでは第2縦軸に電流増幅度β=IC/IBを追加します
赤線が追加される形になります。実際グラフを見ると・・・

stora24.png

電流増幅率が一定ではないグラフとなっています
理由としては今回の回路モデルでは電圧を0V~3Vにスイープしているためですね。
①VBE-IB特性のままの回路図モデルにしていました

これはこれでいいのですが、今回はテスターと同条件にするために電圧を3Vの定電圧にします。



5. 本当にテスター条件での直流電流増幅率(hFE)をシミュレーションする
本当にテスターと同様に電圧を3Vの定電圧にしたモデルが下記です
stora27.png

この時のグラフを確認すると・・・はい!綺麗な電流増幅率が出ていますね。
IBもICも流れる電流は一定のため、電流増幅率も一定となっています
stora28.png

数値を確認すると
今回の2SC1815GRの電流増幅率は360となりました

stora29.png


テスタ-の測定が347でしたので。大体近い値になっています

sP_20170922_151414_HDR



何とかシミュレーションと現実を合わせれこめました。結果が合ってよかったです
久々にLTSPICEを使いましたがやはり便利です。

今回はここまでにしたいと思います。
どうもありがとうございました

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※筆者使用のM832と同形状モデル。(詳細は不明)


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