エンジニアの電気屋さん

現役エンジニアが電気のトピックについて現物交えてご紹介します。

カテゴリ: テスター

どうもミソジです。

今回は結構前に紹介したトランジスタ電流増幅率の記事についての続きです。
今回は「テスターでトランジスタの直流電流増幅率(hFE)を測定できる仕組み・カラクリ」を紹介したいと思います

テスターで電流増幅率を測定できましたが、ただ数値を見て正しいかだけの確認では面白くないのでどのように測定されているのか調べてみました

目次
1.電流増幅率を測定している際の電圧を測定してみる
2.テスターの電流増幅率箇所を調査する
3.テスターの電流増幅率箇所のイメージ回路図
4.実際どのように電流増幅率を計算しているか
5.まとめ・感想


1. 電流増幅率を測定している際の電圧を測定してみる
まずは前回同様にトランジスタ2SC1815GR(F)電流増幅率hFEをテスターが測定している際に実際にVBE,VCEの電圧を確認してみました。
stora9.png

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別のテスターを用意して測定していきます
①VBE(ベース-エミッタ間電圧)=0.68V
sP_20180120_030619.jpg
①のVBEはデータシートにも書かれているトランジスタ自体の特性となります。
(データシートはこちらを参照してください。)
VBEのMAX電圧としては1.0Vですが、VBE-IB特性図より今回ベース流れる電流を想定すると0.7V付近ですので間違ってはいなさそうです。

②VCE(コレクタ-エミッタ間電圧)=2.933V
sP_20180120_030823.jpg

②のVCE電圧はテスターの内部回路にも影響していきます。おそらく直接内部の3V電源をトランジスタのVCEにつなげているため出ている値ですね。

次の章から①②の結果になった理由をテスターの直流増幅率を分解しつつ調査していきます


2. テスターの電流増幅率箇所を調査する
まずはテスターを分解して直流増幅率測定箇所の回路を見ていきます。
(分解しないでも「M832」と画像でググっていただければ相当品の回路が見つけれますので有識者の方は見ていただければ大体イメージが付くと思います)

テスターの裏を開けると下記のようになっており直流増幅率箇所は赤枠となっています
sP_20170922_172445.jpg

赤枠箇所をアップした写真が下記になります
sP_20180120_031540_HDR.jpg

表のテスター箇所と対比させると下記のような形になります
sP_20170922_151414_HDR_2.jpg

次の章からもう少し回路を追って、今回のテスターの測定回路モデルをイメージしたいと思います


3. テスターの電流増幅率箇所のイメージ回路図
テスターの直流増幅率測定箇所をアップして調査していきます
各測定端子のポイントを見ると下記のようになります
sP_20180120_031540_HDR.jpg

そして今回測定箇所のNPN箇所に注目すると「C(コレクタ)に直接3V接続」「B(ベース)に220kΩを通して3V接続」となっていました
sP_20180120_032310_HDR.jpg

これで大体の回路図が見えてきました。
イメージすると下記のような形です。非常に単純な回路構成となっています
stora11.png
(上記はPNP箇所・電流測定箇所などかなり省略しています、NPNの箇所のみ概略でイメージしていますので参考までにお願いします)

では次章でどのように効率を計算しているかを説明していきます

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4. 実際どのように電流増幅率を計算しているか
ここまで来たらベースに流れる電流を簡単に計算できます
①VBEを≒0.7Vとすると
②R1にかかる電圧が3V-VBE=2.3V
③ベースに流れる電流がIB=2.3V/220kΩ≒10uA


stora11.png


ということでIBベース電流は常に10uAが流れるとすればテスター内部でIC電流を測定すれば終了です。

「IC=?A」がテスター内部で測定した値とすると電流増幅率β=IC/IB=「?A」/「約10μA」といった流れでテスターは表示していると考えています

stora11.png


5. まとめ・感想
1章で測定した電圧を改めて振り返ってみると4章で説明した電圧値となっているので考え方としては大体合っていると思います。「まぁこんなもんか」とイメージしてただければ幸いです

「実務で電流増幅率を測定するケースがあるか?」と言われれば、おそらくそんなに無さそうですね。トランジスタの初歩的な勉強にはちょうどいいネタかとは筆者は考えています

今回はここまでにしたいと思います。
どうもありがとうございました

次回は今回のトランジスタを回路モデルでシミュレーションを行いました。リンク先はこちらです。

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どうもミソジです。
今回は「テスターでトランジスタの直流電流増幅率(hFE)を測定した」を紹介したいと思います

目次
1.直流電流増幅率(hFE)とは?
2.トランジスタ2SC1815GR(F)を用意する
3.テスターで測定する

1.直流電流増幅率(hFE)とは?
一般的には「hFEってなんだよ!」と突っ込みたくなりますが
説明すると大変長くなるので、本当に簡単に説明します。

トランジスタの大きな役割としては「大きな電流を制御できるようになる」ことが挙げられます。たとえば下記のようにCPUから直接モータを回そうとしてもできません。
下記例はNGです
tora7

理由としては「基本CPUの端子からは数mAしか流せなく、モータに必要な電流が流せないから」です


そのため、CPUの指令を基にモータ回したい一例としてトランジスタ使う場合があります。
下記のようにトランジスタを使うことで、CPUからの端子は数mAしか流さなくてもモータに大電流を流すことができるようになります
下記例はOKです
tora78


ちなみに上記例の電流増幅率は「β=500mA / 2mA = 250」となります

この電流増幅率βはトランジスタ毎で異なっています。そして今回は「テスターで電流増幅率βも測定できる」ぐらいに覚えてもらえれば大丈夫です。


2.トランジスタ2SC1815GR(F)を用意する
今回測定するトランジスタは東芝製?の「2SC1815GR(F)」です。NPNのトランジスタで汎用品として今でも非常に多く流通しています。昔どこかで購入したものです。
sP_20170922_150355


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詳細の説明は省きますが、3本足のICで各端子の名称はB(ベース),C(コレクタ),E(エミッタ)となっています。1章で説明していた電流増幅率はβ=IC(コレクタ電流)/IB(ベース電流)となります
stora9.png
回路図で記載する際には下記のような形になります。
stora10


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3.テスターで測定する
それではテスターでの測定していきます。
但しテスターでも電流増幅率が測定可能なものは少数派であることをご注意ください
(また電流増幅率測定できるのは怪しいテスターが多いです…。)

筆者は2個テスター持っていますが
日本製のHIOKIカードテスタは電流増幅率は測定できません。
sP_20170922_173239

今回測定で使うのはMASTECH製M832です
左下の箇所にトランジスタをセットして測定のツマミを電流増幅率_hFEに持っていきます
sP_20170922_172205.jpg

今回のトランジスタはNPNのためB(ベース)C(コレクタ)E(エミッタ)を間違いないように差し込みます
(PNPの箇所も横にあるため間違いやすいので注意)
sP_20170922_151347_HDR

測定できました。結果は347でした。
sP_20170922_151414_HDR


この値が正しいのかメーカデータシートを確認すると今回使っている「2SC1815GR(F)」はGR品のためhFEは200~400でしたのでこんなもんかといったところです。

今日はここまでにしたいと思います
ありがとうございました

次の記事では実際にテスターを調査して直流増幅率を測定している回路図を確認していきます。ぜひ見てもらえれば幸いです。リンク先はこちらから。

また別の記事では今回テスターをLTSPICEによるシミュレーションをして結果の妥当性を確認していきます。ぜひ見てもらえれば幸いです。リンク先はこちらから。


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※筆者使用のM832と同形状モデル。(詳細は不明)

どうもミソジです。
今回からはテスターのヒューズが
正常かどうかを確認したいと思います

今回のテスターはmAの測定レンジはヒューズが入っており
200mAまでの記載があります。

sP_20170922_172205


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無題


今回使っているテスターは裏面から取り外します。
裏面にもヒューズの容量が丁寧に記載されていました
赤線箇所に「250mA 250V」と記載されています
sP_20170922_172312


ネジを2本取り外して裏蓋を開けてみます。

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sP_20170922_172445

ヒューズ箇所は電池の真上にあります。
裏の基板シルクにも「250mA 250V」と記載されています
sP_20170922_172709


ではテスターのヒューズを取ってみましょう
ヒューズソケットの爪を少し上げると簡単に外せます
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sP_20170922_173114


ヒューズを他のテスターで導通しているか確認します。
結果は予想通り抵抗値「O.F」無限大ですね。
ヒューズが切れていました。
sP_20170922_173239

ヒューズのストックが無いので交換はまた今度にする予定です

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<<20180218追記>>
ヒューズを購入して交換修理しました、また確認で電流測定も行っている内容を記事にしています。ぜひこちらも確認お願いします。
リンク先はこちらから



今日はここまで
ありがとうございました

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※筆者使用のM832と同形状モデル。(詳細は不明)

どうもミソジです。
今日はついにテスターでUSB5V電圧を測定します。


前回作ったUSB5V測定治具を
sP_20170922_163253

まずはパソコンのUSBに接続します
sP_20170922_163643



測定できました。5.08Vでした。おそらくPCメーカ側はハブ接続されたり、
長いUSBケーブルを使っての電圧降下を考慮されて
少し高めに電圧設定していると思います。
sP_20170922_163749



では次にUSB充電器を測定してみます。
2種類手元にありましたので、2種類測定してみます

一つ目はスマホについてきた充電器でかれこれ5年ほど使っています
sP_20170922_163949

測定してみると4.81Vでした。

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これはかなり低いですね。
確かUSBのホスト側の規格は±5%でしたので
もうそろそろ寿命かもしれません
sP_20170922_164535_HDR


2つ目は10年前ほどに買った専用のUSB充電器。
今はあまり使っていないものになります
sP_20170922_165004_HDR


測定した結果は5.23Vでした。大分高めに設定していますね
sP_20170922_165203


今日はここまで
ありがとうございました

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どうもミソジです。
今日もテスターでUSB5V電圧を
測定する前の準備を続けていきます

前回説明したように今回はUSBケーブルを加工して
USB5Vを測定できるようにしたいと思います。

用意したのは100均でもあるUSBケーブルです
早速切ってみました。ワイヤーストリッパーで簡単に切れます。
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(またワイヤストリッパーの使い方は後日説明したいと思います)
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sP_20170922_160918
sP_20170922_160954_1

内部のリード線色で接続先が分かります。
それで今回は測定USB5Vを測定しやすいように端子台に接続します。
これで赤+5V,黒GNDにテスターで測定しやすくなりました
sP_20170922_163302


全体像はこちらとなります
sP_20170922_163253

次回はUSB5Vを測定したいと思います
今日はここまで
ありがとうございました

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